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大学入学共通テスト
【共通テスト対策まとめ】傾向分析と勉強法
*本記事は2021年7月時点での内容となります。今後変更となる可能性があるので、最新情報は文部科学省ホームページなどをご確認ください。
第2回の「大学入学共通テスト」が2022年1月に実施されます。
改めて大学入学共通テストとはどういうテストなのか、どのような力が求められるのか、そのためにどんな対策が必要なのかを確認しましょう。
(コラム「センター試験廃止で大学入試はどう変わる?」も併せて参照してください)。
東京大学 文科一類 / 東京工業大学 理学院 / 一橋大学 法学部 / 東京医科歯科大学 医学部[医] / 北海道大学 医学部[医] / 東北大学 工学部 / 早稲田大学 政治経済学部 / 早稲田大学 商学部 / 早稲田大学 創造理工学部 / 慶應義塾大学 法学部 / 慶應義塾大学 経済学部 / 慶應義塾大学 理工学部 / 上智大学 外国語学部 / 東京理科大学 理学部第一部 / 東京理科大学 工学部 ほか多数合格!
※大学受験ディアロ・大学受験Dialo onlineの2022年度入試実績です(在籍生のみ/講習のみ・体験のみは含まず)。
2016年大学受験ディアロ開校以来、各年度入試ののべ合格数について比較し2022年度が過去最多。
この記事の目次
大学入学共通テストとは?
大学入学共通テストは、従来のセンター試験と同様、1月の中旬~下旬の土日2日間で実施されます。
次は、2022年(令和4年)1月15日(土)・16日(日)の実施を予定しています。
センター試験と同様6教科30科目が出題されます。各教科内の科目の選択方法もセンター試験と同様です。
【2022年度大学入学共通テスト】
- 第1日程:2022年1月15日(土)・16日(日)
- 追・再試験:2022年1月29日(土)・30日(日)
大学入学共通テストで求められる力
新しい学習指導要領では、「学力の3要素」について以下のとおり定めています。
【知識・技能】
既知の問題を解くための十分な知識・技能のこと。
「知識が重要視されない」ということはない。
【思考力・判断力・表現力】
「知識・技能」を基盤にして、未知の問題に対して解答を見出していく力。
【主体性・多様性・協働性】
「知識・技能」の「思考・判断・表現」を基盤として、答えが1つに定まらない問題に対して、他者と多様な考え方を協働して、最適解を見出していく力。
3要素をまとめて「生きる力」と定めました。これらが「大学入学共通テスト」に求められる力となります。
各教科の対策と傾向・勉強法
共通テストではセンター試験と何が変わる?
では「大学入学共通テスト」では何が変わるのでしょうか?
このテストでは、従来の知識・技能偏重型の試験から、知識・技能を基にそれを活用する思考力・判断力・表現力、また主体性・協働性・多様性などを問う試験へと変革することが大きな目的です。
マークシート式問題に関しても、複数の資料・文献から様々な情報を組み合わせて解答を求める問題や、正解が1つと限らない問題(「正しいものを全て選べ」というタイプの問題)など、思考力・判断力・表現力や主体性・協働性・多様性をより重視した出題になるとされています。基本的な知識が定着していることを前提に、より高度な能力が求められることになります。
つまり、「覚えていればOK」だけではなく、覚えた知識・技能を「どのように活用するか」を問われる問題がより多くなる予定です。これまで以上に計画的な準備が必要になります。
共通テスト英語の対策
外国語の「英語」は名称や配点が変更されます。センター試験では英語受験者に「筆記」「リスニング」が課されていましたが、「筆記」が「リーディング」に改称されて配点が200点から100点に変更されます。「リスニング」の配点は50点から100点に変更され、「リーディング」と同配点になります。
「リーディング」では、様々な題材の文章から要点を把握する力、必要とする情報を読み取る力などを問うことを目的とし、センター試験で出題されていた、発音、アクセント、文法、語句整序などを単独問題はなくなります。
「リスニング」では、読み上げられる音声の回数が、問題により「1回読み」のものが出題されます(センター試験は全て2回読みでした)。
リスニングとリーディングの配点は、各大学が成績利用の際に配点比率を変更することは可能で、1:1の比率を利用する大学のほか、センター試験と同じ比率4:1を引き継ぐ大学、3:1とする大学など、対応は大きく分かれています。
この大学入学共通テストでは特に「速く正確に読む力」が求められます。
まずは文法・語法や単語・熟語の語彙力を上げて、ゆっくりでも英文を正確に読む力を身につけていきましょう。そこからスピードを徐々に上げていきます。文法・語法や文法単体での出題はなくなりますが、「英語の力」そのものを伸ばすためにはこれらの勉強は必要不可欠です。
そして1文1文の英文を正確に読んでいく、「精読力」を高めていきましょう。ゆっくり読んで読めない英文を無理に速く読んでも理解できるはずがありません。なので、まずはゆっくりと英文を正確に読めるようにして、そこから速読できるようにしていきましょう。この「精読力」を鍛えるために1文1文の文構造を理解して英文を読んでいけるようにしていきましょう。あとはたくさん問題演習を繰り返してスピードを上げていくだけです。
しかし、大学入学共通テストの試験問題がほとんど作られていないので、演習があまりできません。
そこでおすすめなのが、TEAPの演習問題とセンター試験の過去問です。
大学入学共通テストの問題には文法や語彙の問題が無いので、「なんとなく」「感覚で」高得点が取れてしまう事があるかもしれません。しかし、安定して高得点を取り、難関国公立大や難関私大の問題にも対応できるようにするためには、基礎固めがとても大切です。そこで、センター試験の過去問をたくさん解いて英語力の足場を固めていきましょう。TEAPの問題集は色々と出版されていますが、リーディングの問題が大学入学共通テストの形式に似ています。演習用にたくさん解いておくと、大学入学共通テストの対策になります。
共通テスト国語の対策
国語では記述式の出題が見送られたことで、近代以降の文章(現代文)の出題は従来のセンター試験を踏襲し、大問2問体制となり、形式上は従来のセンター試験とあまり変わらないことが予想されます。
センター試験では「評論」「小説」が題材になっていましたが、共通テストでは「論理的な文章」「文学的な文章」「実用的な文章」が題材になります。
また、「大問ごとに一つの題材で問題を作成するのではなく、異なる種類や分野の文章を組み合わせた問題を含めて検討する」としています。例えば、試行調査で問題文に取り上げられたのは生徒会の部活動規約と生徒たちの会話文でした。生徒会の規約を読み解くだけでなく、それを基に会話の流れを確認した解答を導き出す必要があるもので、複数の資料や文章を関連づけて解答させる力が問われました。このような学校生活を題材にした問題は、大学入試共通テストでは国語以外の出題でも予想されます。
このように、知識そのものを問う問題より、「知識をどう活用できるか」を問う設問が増えています。実生活に即した問題が多いのも特徴的で、身につけた知識を日常でどう活用するかがさまざまな角度から問われることになるといえるでしょう。
特に文章、図、グラフ、絵など複数の資料から必要な情報を的確に読み取る力、そしてそこで得た情報を分析して関連づけたり統合したりする力が求められます。今年度のセンター試験では、漢文で描写を文章ではなくイラストで問う出題もありました。このようなタイプの問題はまさに大学入学共通テストへの布石とも考えられます。
ではそんな国語の対策はどのようにすればいいのか? 基本は従来のセンター試験での対策と大きく変わりはありません。
問題文中の膨大な情報から「事実と意見」を明確に区別し、一つの意見の論拠を複数の文章から探し出す練習をしていくことです。そのためには従来のセンター試験の過去問をしっかり解いて「筆者の主張を探すこと」「解答の根拠を必ず文章中から探すこと」の練習をしていきましょう。この練習を重ねていくことで試行調査でも出題された「正しいものをすべて選べ」や「正しいものがない場合」といったタイプの問題にも慌てることなく対応できるでしょう。
共通テスト数学の対策
数学では数学①の解答時間が60分→70分に変更になりました。
今回数学①(数学Ⅰ、数学Ⅰ・数学A)では記述式問題の導入は見送られたものの、当初想定していた出題分量は変えないことから、試験時間は当初の予定通り「70分」となりました。
「数学的な問題過程を重視する」としていて、ある事象から数学的問題を発見し、解決の見通しを立てること、考察結果を活用することが求められます。そのための「考える時間」を考慮した試験時間となりました。
試行調査の数学の問題では、「なぜそのような計算をする必要があるのか」、「それによってどういうことを解決するのか」の説明が問題文の中で丁寧にされています。
背景説明の部分と立式に必要な部分を切り分け、適切に処理することが重視されるため、情報処理量が増えている分、計算量は減っています。一つの題材についていろいろな計算をさせ、処理する力を測る問題が主だったセンター試験の数学の問題とは異なる出題となりました。前述の国語同様に、日常の事象を題材にした設問や、ICT(情報通信技術)を活用する設問が増加すると考えられます。
では、そんな数学の対策はどのようにすればいいのか? こちらも従来のセンター試験での対策と大きく変わりはありません。大学入学共通テストではセンター試験に比べて計算量が全体的に減少していますが、計算力・処理力の重要性が低くなった訳ではありません。今までと同様に素早く正確に計算する能力は必須となります教科書や参考書の計算問題や中位難易度の問題を早く、正確に解けるようにしていきましょう。
共通テスト対策はいつから?
入試全体のスケジュールを考慮すると、共通テストに特化した対策は11月頃から本格的にはじめることになります。
高3の受験勉強は、夏までが基礎固め、秋からが応用問題や志望大学の試験対策、そして冬に共通テスト対策に注力し、1月中旬に共通テスト本番、次に志望大学の対策~本番に挑むという流れです。
早めに「共通テスト対策」の参考書を準備して、12月に入ったら、迷わず本番形式で共通テスト予想問題やプレテスト、センター試験の過去問に取り組めるよう、計画的に進めていきましょう。
共通テストのおすすめの対策方法は?
本番さながらに、当日のスケジュールに沿う形で時間を測り、試験問題を続けて解くことです。
また、本番では緊張することを考えると、本番より少し短い時間で取り組むか、採点時にそのことを加味する必要があります。
また、共通テスト対策で間違ってしまった問題こそ、理解できていない部分です。間違えた問題だけを集めたまとめノートを作るなど、復習をしっかり行いましょう。このノートを定期的に見直すようにし、試験本番直前にも目を通すと、弱点をしっかりと解消し切ることができます。
ただし共通テスト対策には、必要以上の時間はかけないこともポイントです。「共通テスト」の先に、私大入試本番、そして国公立大学の2次試験が待ち受けていることを忘れず、バランスよく対策していくことが必要です。
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