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大学入学共通テスト
センター試験廃止!新しい「大学入学共通テスト」はどう変わる?
いよいよ最後のセンター試験がやってきます。来年度からは「大学入試共通テスト」へ移行します。
なぜ、今センター試験が廃止されるのでしょうか?
そして、新しく導入される「大学入試共通テスト」とは一体どのような試験なのでしょうか?
この記事の目次
センター試験が廃止され、大学入試共通テストに移行
2019年度までの大学入試(一般入試)は「大学入試センター試験」+「各大学での個別試験」の組み合わせで行われていました。センター試験は2020年1月実施が最後となります。
2021年1月実施からは、センター試験に代わる共通テストとして「大学入学共通テスト」が実施されます。
基本的な流れは現行のセンター試験を踏襲し、1月13日以降の最初の土曜日・日曜日の実施、教科・科目は6教科30科目となる予定です(2024年度以降はこの枠組みが簡略化される予定です)。
センター試験が廃止される理由
では、なぜセンター試験は廃止されるのでしょうか? 1990年(平成2年)から導入されたセンター試験では、与えられた問いに対して習得した知識や技能を手掛かりに、正解を速く・正確に導く力が求められました。特に個人として発揮する能力が最重視され、「チーム」という考えは重視されませんでした。
センター試験についても、これらの能力が身についているかを主に問われてきました。その中で教育現場からは「マークシート方式の試験だが暗記だけではない、考えさせる設問もある」との高い評価がありました。
しかし、覚えていることそのものが「学力」であるという学力偏重主義の流れが強くなっていきました。その結果「知識・技能」を十分に身につけないまま大学へ進学してしまうケースも多く、大学の学力低下の一因ともなってしまいました。そこで国は「これからの社会では先行きを予想することが難しいので、知識の量だけでなく、自分なりの問題を発見し、問いを立て、試行錯誤しながら解答を導く力、周囲の人を巻き込んで協力していけるコミュニケーション力を求めたい」という考えから、「思考力・判断力・表現力」そして「主体性・協働性・多様性」をより重視した新しいテストを導入することを決定しました。
これが2021年度から実施される「大学入学共通テスト」です。
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センター試験廃止による変更点
大学入学共通テストとは?
では「大学入学共通テスト」では何が変わるのでしょうか?
このテストでは、従来の知識・技能偏重型の試験から、知識・技能を基にそれを活用する思考力・判断力・表現力、また主体性・協働性・多様性などを問う試験へと変革することが大きな目的です。
マークシート式問題に関しても、複数の資料・文献から様々な情報を組み合わせて解答を求める問題や、正解が1つと限らない問題(「正しいものを全て選べ」というタイプの問題)など、思考力・判断力・表現力や主体性・協働性・多様性をより重視した出題になるとされています。
基本的な知識が定着していることを前提に、より高度な能力が求められることになります。
つまり、「覚えていればOK」だけではなく、覚えた知識・技能を「どのように活用するか」を問われる問題がより多くなる予定です。これまで以上に、計画的な準備が必要になります。
学力の3要素と生きる力
新しい学習指導要領では、「学力の3要素」について以下のとおり定めています。
■知識・技能
既知の問題を解くための十分な知識・技能のこと。
知識が重要視されない、ということはない。
■思考力・判断力・表現力
知識・技能を基盤にして、未知の問題に対して解答を見出していく力。
■主体性・多様性・協働性
知識・技能の思考・判断・表現を基盤として、答えが1つに定まらない問題に対して、他者と多様な考え方を、協働して最適解を見出していく力。
これら3要素をまとめて「生きる力」と定めました。
大学入学共通テストの難易度
大学入試センターが平成29年度から実施してきたプレテストでは、平均得点率を50%程度と想定して作成されていました。
一方で、現行のセンター試験は平均得点率60%を程度に想定して作成されています。単純な平均得点率で比較すると「大学入学共通テスト」の方が難易度の上がる可能性は高いと言えます。理由としては前述のとおり知識量の増加はもちろん、思考力・表現力・判断力を問う新しいタイプの問題(例:「正しいものをすべて選べ」)など、対策していないと難しい問題が増えるためと考えられます。
このように、大学入学共通テストでは小手先の紋切り型のテクニックではなく「習得した知識を自分で工夫して設問に利用する力」が求められるため、今から思考力・表現力・判断力を身につける準備を進めていく必要はあるでしょう。
推薦・AO入試にも変化
新しい入試のポイントは、「推薦・AO入試」にも変化が生じます。
2020年度から推薦入試は「学校推薦型選抜」という名称へ、AO入試は「総合型選抜」という名称へ、それぞれ変更される予定です。
国立大学は2021年度までに推薦・AO入試の定員を全体の30%程度とする目標を掲げるなど、推薦・AO入試を重視していきます。志望理由や課外活動への主体的、積極的な取り組みや将来の目標を総合的に評価するだけでなく、学力検査も今後必須で導入される予定です。推薦・AO入試が今後拡大する見込みです。
「大学入学共通テスト」対策として必要なこと
①まずは「十分な知識・技能」を身につけること
大学入学共通テストでは、「思考力、判断力、表現力を発揮して解くことが求められる問題を重視する」方針が打ち出されていますが、何かを考え、判断して表現していくためには、その基盤として十分な「知識や技能」が必要となります。これまでのように「知識の取得ができているかどうかが最終目的」ではなく、「知識の取得は、思考力・判断力・表現力等を身につけるための、前提としての手段」になるのです。
忙しい学校生活の中で、身につけなくてはいけない力はこれまでよりも増えることになります。だからこそ、その基盤となる「知識・技能」については、これまで以上に着実に、そしてスピーディに取得していく必要があります。
②「思考力・判断力・表現力」は受け身の学習では身につかないことを認識すること
大学入試対策というと、「塾の大教室で先生の講義を聞けば、合格する」「映像授業をひたすら見て問題を解けば合格する」「ひたすら暗記すれば合格する」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、まずはそのイメージを捨てましょう。これらは知識の取得には役立つ方法ですが、今後重視されていく思考力・判断力・表現力等の育成を考えると、十分とは言えません。
大きく変わりゆく時代の中では、過去に誕生した知識や技術を学ぶことだけでなく、日々発生する新しい問題・課題やニーズに対応していくためにどうしたらいいか、自分の頭で考えて、情報を集めたり人と協働たりしながら行動していく力が必要になります(状況を見ながら柔軟に対応を変えていく、ということも重要ですね)。誰も「正解」を持っていないからこそ、「自分の頭で考える」ことが重要になるのです。
今後の大学入試で重視される「思考力・判断力・表現力」も、「自分の頭で考える」ことを通して初めて身につく力になります。一朝一夕で身につく力ではないからこそ、受け身の学習ではなく、「自分の頭で考える」という訓練を日々積んでいく必要があるのです。
まとめ
- 「大学入学共通テスト」は思考力・表現力・判断力や主体性・協働性・多様性をより重視した内容となる
- 学力(知識量は)今まで以上に求められる
- 早め早めの対策を意識しよう
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