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AO入試と評定平均の本当の関係【合格するポイント】

最終更新日:2023-01-20

ここまでAO入試について、合格率と倍率、国公立大学入試の特徴についてお話してきました。AO入試は学力だけでなく様々な要素を踏まえて選考することが分かったかと思います。

とは言え、国公立大学を中心として多くの学校が一定の学力を求めるようになりました。

そこで今回は、意外と知られていない評定平均の特徴と、その重要性についてお話します。

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2016年大学受験ディアロ開校以来、各年度入試ののべ合格数について比較し2022年度が過去最多。

評定平均とは?評定平均の算出方法

評定とは課題や定期考査の結果を教科ごとに評価を数値で総合的に示したものです。評定は学期末に渡される通知表、受験の際の調査書に内申点として用いられます。

評定平均は教科ごとの評定を足し合わせ、全教科数で割って算出した平均値のことです。小数点第2位を四捨五入して求めるので「3.7」、「4.1」などと提示されます。大学受験では多くの場合高校1年生から3年生の1学期までの評定平均が用いられます。そのため日々の定期考査の結果や授業態度、課題提出状が重要になります。

前述のとおり、評定はAO入試の選考基準の1つになる場合があります。例えば慶應義塾大学や早稲田大学など多くの難関大学では評定平均4.0以上を求められます。また教育学部系など専門的な分野を重視する大学では、特定の教科に対して一定以上の評定を求める場合があります。評価基準や評価方法、ウエイトなどは各大学によって異なるので、大学のWEBサイトなどを確認しておきましょう。

評定平均の重要性

AO入試では一般入試とは全く異なる視点で受験生を選考する入試です。具体的には受験生がどのような突出した能力を持ち、どれくらい志望する大学での学びに意欲を持っているのか、そしてその能力を大学での学びにどう生かすのかを選考の過程で様々な視点で判断されます。

しかし、どの大学でもアドミッションポリシーでは、入学志望者には「本学が目指す教育目標を達成するための最低限の知識があることが必須である。」というような記載があります。つまり、AO入試と言っても、学力は必要になるのです。

一方で選考基準に評定平均の基準が明記されていない場合は、当然今までの活動実績や志望大学のアドミッション・ポリシーに基づいた志望動機などが重視されます。しかし評定平均が全く関係ないとはいえません。活動実績や志望理由書、面接での印象も同じと言った人を評価しなければいけない場合、評定平均が最後の判断基準となることもあります。あまりにも評定平均が低すぎると、やはり不利になるものです。

では評定が高ければ大丈夫なのでしょうか?

もちろん、評定平均だけ高くても、AO入試で合格できるとは限りません(理由は今までのコラムをご覧いただければわかるかと思います)。しかし、評定平均さえあれば受験資格は与えられる、つまり「受験」することはできるのです。そして、評定平均が高ければ当然AO入試でも有利になります。評定平均と学校成績には相関関係がありますが、入試本番の点数と学校成績には相関がありません。大学側は、入学後も恒常的に頑張り続けてくれる人物を求めているのです。

評定平均を上げる方法

評定のつけ方には全国共通ルールがありません。一般的な学校で数学の評定5を取るのと、進学校と呼ばれる学校で同じ数学の評定5を取るための難しさは決して同じではありません。しかし、大学入試ではどちらも同じ「評定5」で勘定されます。

このように評定平均に不確実性はありますが、そんな評定平均をどのように上げていくのか、今回は一般的な戦略を紹介していきたいと思います。

まず、前提として1年生、2年生の評定は各学期の評定の平均値ではなく、学年評定が用いられるということです。これは各学期の総合評価の評定です。それを踏まえた上で、どの科目に特に注力しなければならないのかを考えていく必要があります。

また、評定平均は主要5科目の他に、家庭科や音楽などの副教科も含まれます。主要5科目より、高い評定を取ることが比較的容易なのが副教科です。大学受験を目指すとつい、主要5科目ばかりに集中してしまいがちです。しかし評定平均は全教科の平均値を指します。特に副教科ではテストの点数と同じく、場合によってはそれ以上に出席状況や作品課題の提出状況、実技試験などが大きく影響することがあります。主要教科、副教科という意識をあまりせず、どの強化もまんべんなく評定を上げる努力と工夫が必要です。

評定平均が高くない場合でもAO入試に合格するポイント

ここまでは評定平均を上げるための努力についてお話してきました。しかし、現実では苦手科目の評定を上げることに苦戦することも多いかと思います。しかし、評定平均が低くてもAO入試で合格するポイントはいくつかあります。

繰り返しになりますが、AO入試とは、アドミッションポリシーをもとに受験生がどのような突出した能力を持ち、どれくらい志望する大学での学びに意欲を持っているのか、そしてその能力を大学での学びにどう生かすのかを様々な視点で選考する入試です。高校時代を何に興味・関心を持って生活してきたのかを客観的・具体的に相手に伝えることがないよりも大切になります。それは部活動であったりボランティアなどの課外活動だったりするでしょう。それらの活動から自身が何を学び取ったかを整理し自分で説明できるようにすること、それがAO入試で合格するだめに必要な要素です。

例えば

  • リーダー経験があるか▶いつ・どこで?そこから得たものは?
  • 問題解決に貢献した活動があるか▶どんな問題解決か?・何に注意して解決したか?
  • 継続して行ってきた「研究成果」があるか▶どんな研究科?それによって得られた成果は?
  • 客観的な評価・実績があるか▶何の、どのような評価か?
  • アドミッション・ポリシーに準じているか▶今までの活動と照らし合わせてどのような部分が準じているか?


AO入試だけに限ったことではありませんが、大学と学生の希望が一致しているかどうかも重要な合否ポイントになります。

よく「〇〇大学にどうしても行きたいんです!」という熱意溢れる相談を受けることがあります。

「なぜ〇〇大学を目指しているの?」という質問には答えられても、「では、〇〇大学に入学して何をしたの?」と聞くと答えられなくなってしまうケースがあります。

大切なことは、「大学に入学すること」だけではなく、「自分は将来何をしたいのか」→「そのためにその大学で何を学ぶか」→「そのためにどうやってその大学に入学すればいいのか」→「そのために今、どの要素を上げていかなければならないのか」を逆算で考えていくことです。

その時に各大学の「3つのポリシー」である「アドミッションポリシー・カリキュラムポリシー・ディプロマポリシー」を調べ(詳しくはディアログ「国公立大学のAO入試」を参照)、迷ったときに立ち戻ることが大切になります。

皆さんにとって一生に一度の大学選択。大学選択は将来社会にはばたく時の職業選択に直結することが非常に多いです。どうか、悔いのないように進路と学校を選択できるようにしましょう。

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