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学校推薦型選抜と総合型選抜の違いとは?出願条件や選考方法を紹介
※2021年3月時点の情報をもとに執筆しています。
2021年度 学校推薦型・総合型選抜合格数 |
目次
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❑学校推薦型選抜とは
「学校推薦型選抜(推薦入試)」は、在学する高校の校長から推薦を受けて大学・学部に出願する選抜方式のことです。9割以上の国公立大学で実施され、近年は、東京大学や京都大学などの難関国立大学も導入するなど、利用大学が増えています。出願にあたっては、クラス担任が記入する推薦書が必須。総合型選抜とは異なり、高校の先生が生徒をどのように評価しているか、が選考基準であるためです。
学習成績の状況や出欠状況、特別活動等が記入された調査書が重要視され、学習成績の状況(評定平均値)で、国公立4.0以上、私立3.0~4.0が出願の目安となります。
ここからは、学校推薦型選抜(推薦入試)における国立大学と私立大学の違いを細かく見ていきます。
-国公立大学の学校推薦型選抜
国公立大学の学校推薦型選抜(推薦入試)は、私立大学と比較して募集人員が少ないうえに、「学習成績4.0以上」など、厳しい出願条件が設けられる募集が多くなります。また、高校から推薦できる人数(推薦枠)よりも希望者が多い場合は、学内選抜が行われます。
-私立大学の学校推薦型選抜
私立大学・短大の学校推薦型選抜(推薦入試)は、ここ10年ほど入学者比率が増え続け、現在は比率が4割超にも。出願条件が多種多様であり、選抜方法も「有資格者推薦」「課外活動推薦」「スポーツ推薦」など、さまざまなことが特徴です。「有資格者推薦」では、民間の英語資格・検定試験や、日商簿記などの技能をもつ受験生が優遇されます。「課外活動推薦」では、生徒会活動や部活動、社会・ボランティア活動などが考慮されるほか、コンクールや競技大会などでの実績が評価対象になることもあります。
国公立、私立、どちらの学校推薦型選抜(推薦入試)も、原則的には「合格したら必ず入学する」という専願制にしている大学が多いです。途中で心変わりしないよう、志望学部・学科で学べることをよく調べてから出願しましょう。
❑総合型選抜との違い
総合型選抜(AO入試)は、総合という名の通り、学力だけではなく、高校生活全般(部活動・課外活動など)も評価の対象になるのが特徴です。受験生が単独で志願し、受験生自身が必要書類を作成・提出のうえ、選考を受けます。出願にあたり、学校長の推薦は必要ありません。2019年度までAO入試(Admissions Office=各学校の入学選考事務局のこと)として、評価基準を大学側が求める学生像(アドミッションポリシー)に合致するかどうかにおき、おもに書類や面接のみで選考していました。ところが入学後の学力不足が問題になったため、文部科学省は2020年度から学力検査を義務付け、名称を「総合型選抜」と改めました。
学力検査としては、共通テストや各教科・科目に係るテスト、小論文、総合問題、口頭試問、プレゼン、実技、資格・検定試験の成績などがあります。このうち、小論文や口頭試問、資格・検定試験の成績が採用されるケースが多数ですが、志望大学の募集要項をよく確認して、必要な対策をとりましょう。国公立や難関以上の私大では、プレゼンや各教科・科目に係るテストも課されることが多いようです。
総合型選抜は、9月1日以降に出願、11月1日以降に合格発表と、選抜に時間がかかることも特徴です。
❑学校推薦型選抜の種類
学校推薦型選抜(推薦入試)は、大別して「公募制」と「指定校制」に分けられます。多くの私立大学が公募制と指定校制を採用する一方で、国公立大学は基本的には公募制となります。
-公募制とは
公募制の学校推薦型選抜には、高校の推薦基準と大学の出願条件を満たしていれば応募できます。国公立・私立とも、多くの大学が導入していますが、国公立大学は公募制のみが多く、かつほとんどの大学で対象を現役生のみとしています。さらに国公立は、私立大学に比べて募集人員が少ないうえ、成績基準を設けていることも特徴です。
また公募制(公募推薦)には、公募制一般推薦と公募制特別推薦があります。
公募制一般推薦:大学が定める条件をクリアし、かつ高校に推薦書を書いてもらって出願する方式で、募集人員は多め。「日々の勉強や定期試験に力を入れてきた人」「苦手科目が少なく、各科目の成績が平均的に高い人」におすすめ。
公募制特別推薦:公募制一般推薦との違いは、スポーツや文化活動の実績が評価される点。学習成績の状況(評定平均値)が問われることは少ない。「スポーツや文化活動で優れた実績がある人」「委員会活動、社会活動などの課外活動に積極的に取り組んだ人」におすすめ。
-指定校制とは
指定校制は、大学が特定の高校を指定して実施する入試方式で、おもに私立大学で行われていますが、(横浜市立大学など、公立のごく一部の大学には指定校制があります)。推薦枠という人数制限があり、推薦を受けたい生徒が多い場合、校内選考を経て出願となります。募集人数が少ない反面、合格率は高い入試です。推薦条件として、学力や部活の成績などが評価されます。「定期試験の成績がどの科目も平均して高めな人」「高校生活において積極的な取り組みがある人」におすすめ。専願のみとなります。
❑学校推薦型選抜の出願条件
学校推薦型選抜には出願条件があり、成績や課外活動の実績などで、大学が決める基準を満たす必要があります。
-学習成績と調査書について
大学が設定する基準のひとつが学習成績の状況(評定平均値)であり、高校受験での内申点にあたるものです。評定平均値は、全科目の成績(5段階)を足した数値を科目数で割った数で、小数点以下第2位は四捨五入されます。高3・1学期までの評定で計算され、おもに定期テストの結果が反映されることになります。出願条件として、成績評定の平均4.0以上などとされることが多く、最低でも3.0はないと、どの大学にも出願自体が厳しくなります。
この評定平均値ですが、2021年度から「学習成績の状況」に変わり、大学によっては、合否判定で点数化をする際の計算式が変更されています。また、文部科学省は今後「全体の評定平均値」記載欄の見直しを行うとしており、学習成績の状況が記載される調査書については、両面1枚の制限を撤廃する、「指導上参考となる諸事項について」の記入欄が学年毎に拡充されるなど、情報量が増える予定です。さらに、2022年度入試からは、調査書の電子化も検討されています。
-課外活動の条件
学校推薦型選抜では、学力だけではなく、課外活動や生活態度も選考の対象になります。生徒の意欲や個性が評価されるということです。では、どんな課外活動が評価されるのか、以下にまとめてみました。
■部活動での全国規模の大会や、コンクール、コンテストなどへの出場実績、優秀な成績を収めたなど
■委員会や生徒会などの活動を積極的に行い、企画を提案したなど
■文化・芸術分野における世界大会や国際大会への出場実績、また優秀な成績をおさめたなど
■海外への留学経験、また留学を通じて視野が広がった・自身が成長したなどの成果
■ボランティアへの参加、学外イベントの企画など、生徒の主体的な取り組み
また、特定の専門分野を学ぶ学部では、その分野で実績があると、評価の対象になります。
❑学校推薦型選抜の選考方法について
学校推薦型選抜は、おもに以下の内容で選考されます。
書類審査:学習状況や生活態度を記入する「調査書」や、クラス担任(スポーツ推薦の場合は部活の顧問)が推薦理由を記入する「推薦書」、入学動機などをまとめる「志望理由書」「自己推薦書」「エントリーシート」など
小論文:テーマを与えられる「課題論述型」と、長文を読んで関連したテーマについて書く「文章読解型」があります。テーマは専攻分野から時事問題までさまざまです
面接:提出した書類の内容をもとに、個人またはグループ面接が行われます。理系の大学・学部では、専門分野に関する口頭試問が行われる場合も
プレゼンテーション:出願時に生徒自身が作成した資料等について、口頭での発表を求められます
適性検査:基礎学力を測ることで、学部・学科への適性が見極められます
学力試験:共通テストや大学が作成する個別試験など
実技試験:芸術系、体育系の学部・学科などで、実技や作品提出などがあります
これまで一部の私立大学で成績を問わないケースがありましたが、大学生の学力低下の一因になっていることから、近年は学力検査を行う大学が増加しています。共通テストに関しては、利用の有無により試験スケジュールが大幅に変わるため、注意が必要です。小論文では、志望学科に関連した専門的な知識が求められることもあります。
❑学校推薦型選抜の試験対策方法
ここでは、学校推薦型選抜で提出する志望理由書の書き方とチェックポイント、大学の情報収集についてお話しします。
-志望理由書について
志望理由書(自己推薦書・エントリーシート)は、1次選考(書類審査)の判断基準になるだけでなく、その後の面接試験でも使用されるため、合否に大きく影響します。記入文字数や用紙に指定があり、願書に用紙がセットされている場合がほとんどです。
志望理由書の書き方■学部・学科の志望動機は具体的に ■学びたいことをアピール ■志望理由に卒業後の進路を加える |
書き終えたら、以下について言及できているか、チェックします。
①これまで(小・中学校、高校時代)やってきたこと
授業で学んだことや部活動、また学外でどんな経験をしたのか
自身の興味・関心
人生で影響を受けたこと・人について(感銘を受けた本や映画など)
今の社会についてどう思うかなど
②志望大学(学部・学科)で何がしたいのか
大学のカリキュラムや教授の研究内容・ゼミについて
大学で取得したい(できる)資格や技能について
なぜ(他大学の類似学部ではなく)その学部なのか
部活動やサークル活動など、大学生活への抱負や過ごし方など
③卒業後、何がしたいのか
卒業後に就きたい職業
社会への関わり方や活動してみたい分野について
大学での学びがそれにどう活かせるのかなど
この3点が、実は大学側が「志望理由書」で知りたい内容です。内容に過不足がないか、ボリュームやバランスを考えつつ文章を推敲しましょう。
-学校推薦型選抜の情報収集をする
入試説明会に参加するのはもちろん、オープンキャンパスなどで学校の雰囲気を直に感じると、志望動機がより明確になり、面接でのアピールポイントにもなります。さらに実際に大学に通っている先輩や、大学の教員などから話を聞くと、紙の資料やWebサイトにはないリアルな大学を知ることができます。志望校の情報収集は積極的に行いましょう。
❑学校推薦型選抜を成功させるポイント
-余裕を持って準備する
一般選抜に先駆けて行われる学校推薦型選抜では、早い時期から募集要項の確認や準備が必要です。高校に書類を書いてもらう期間なども考慮して、余裕をもって準備しましょう。志望理由書は、高校や塾の先生などに見てもらい、伝わる文章になっているか、誤字脱字がないか、など第三者の目線でチェックしてもらいましょう。このほか、小論文対策はもちろん、模擬面接を繰り返し行うなど、本番を想定した練習も重要です。
-早めに出願条件の確認をする
学校推薦型選抜の出願条件は、大学によりさまざまです。出願条件である出席状況や成績を満たせているか、専願なのか併願可能なのか、現役・既卒の指定はあるかなど、志望大学の募集要項をしっかり確認しておきましょう。
なかには、検定合格者や資格保持者であることが出願条件になる学部・学科もあります。またそれにより、一部の選考が免除になることも。英検など、合格の時期が定められる検定もあるため、高校入学後、早めに確認しておきます。そして、定期テストでは常に良い成績をとることを心がけましょう。高2の段階で一度成績を計算してみて、結果が思わしくなければ、塾や高校の先生に相談して、早急に対策をとる必要があります。
❑学校推薦型選抜のスケジュール
-公募制の出願スケジュール
6月~ :募集要項配布
8~10月 :願書配布
11月~ :出願
11~12月:選考
12月~ :合格発表・入学手続き
-指定校推薦の出願スケジュール
6月~ :募集要項配布
7~10月 :校内選考
11月~ :出願
11~12月:選考
12月~ :合格発表・入学手続き
指定校制は、希望者が多い場合、夏から秋にかけて校内選考が行われます。どの大学に何名の推薦枠があるか、また年度により、推薦枠がある大学とない大学もあります。高3の早い段階で、自分の高校の大学への推薦枠を確認しておきましょう。提出書類は先生から渡されます(校内選考がある場合は、選考通過後)。
※各スケジュールは一般的な例です。必ず大学のWEBサイト等でご確認ください。
❑まとめ
いかがでしたでしょうか。
学校推薦型選抜のなかでも、指定校推薦は、一般選抜で全国の高校生と競争をするのではなく、高校内の同級生との競争であるため、ライバルが少なく、心理的にも余裕がもてる入試だと言えます。高1から学校の勉強をがんばって、定期テストで成果を出しておきましょう。
国公立が第一志望で推薦を使いたい受験生は、おもに公募型で選抜を受けることになります。より学習意欲を高くもち、日ごろから勉強をしておくことが必須だといえます。
努力なくして成功なし――がんばった人だけが得られるものがあります。心に刻んでおきましょう。
❑ディアロの紹介
学校推薦型選抜・総合型選抜には、さまざまな方式があり、求められることも大学・学部により千差万別です。一般選抜での受験も視野に入れると、なおさら自分にとって必要な勉強が何なのか、迷うことが多くなってしまいます。そんな時は、プロの手を借りてみませんか。
大学受験ディアロは、難関大に数多くの合格実績を持つZ会グループの大学受験専門塾です。Z会の良質な映像授業とテキストによるインプット学習に加え、トレーナー(講師)と1:1の対話、または少人数でのグループ対話によるアウトプット学習をプラスした対話式トレーニングが受けられます。
独自のメソッドで、知識・技能はもちろん、新大学入試で必要とされる、思考力・判断力・表現力を磨いていきます。それらは「⾃ら課題を⾒出し、周囲と協働して解決する⼒(主体性・多様性・協働性)」にもつながり、近い将来、社会に出た時にもきっと役立つ。そうディアロは考えています。
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