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大学の志望理由書の書き方とは?チェックポイントや例文を紹介

最終更新日:2024-09-30

志望理由書は、大学入試の学校推薦型選抜(指定校推薦・公募推薦など)や総合型選抜の出願時において提出が必要な書類です。この志望理由書をもとに、人物試験の選考が行われます

志望理由書を書くにあたって、書き方や「その大学・学部でなければならない理由」を中心としたチェックされるポイントについて知識を得ておくのは、極めて重要です。

この記事では、志望理由書の書き方と大学がチェックするポイントのほか、書く際の注意点と具体例についてご紹介します。

この記事の目次

志望理由書は学校推薦型選抜や総合型選抜の合否に影響する書類

志望理由書は学校推薦型選抜や総合型選抜の合否に影響する書類

志望理由書とは、指定校推薦・公募推薦などの学校推薦型選抜や総合型選抜の出願時に提出が求められる書類で、大学・学部を志望する理由を書くためのものです大学によっては、「自己推薦書」や「エントリーシート」と呼ばれることもあります。

■大学入試の区分

学校推薦型選抜・総合型選抜の位置づけ

学校推薦型選抜や総合型選抜では1次試験が書類選考となっていることが多く、志望理由書はこの書類選考の合否判断の際に用いられます。また、志望理由書は2次試験の面接でも使用されるのが一般的です。つまり、この書類に書かれた内容は、大学入試の合否を大きく左右することになります。

志望理由書の書式や文字数は大学・学部によってさまざまで、特に文字数は、400~2,000字程度と幅があるのが特徴です。

大学が志望理由書をチェックする際のポイント

大学入試において、大学は受験者の志望理由書のどのような点に注目するのでしょうか。ここでは、大学が志望理由書をチェックする際のポイントについて解説します。

大学・学部の求める学生像と一致しているか

大学・学部の求める学生像と一致しているか

大学が志望理由書をチェックする際には、大学・学部が求める学生像とマッチしているかどうかを確認します。

大学・学部が求める学生像は「アドミッション・ポリシー(入学者の受入方針)」に書かれており、それを確認すれば、大学入試前にどのような準備をすべきなのかがわかるでしょう。
大学が求める学生像と、自分の学びの姿勢とのずれがないようにしたいところです。

高校生活ではどのような努力をしてきたのか

高校生活ではどのような努力をしてきたのか

志望理由書では、高校生活でどのようなことに打ち込んできたのかをチェックされます。これは、大学・学部で学びたいこととこれまで経験してきたことの一貫性について、大学が確認するのが目的です。

また、高校生活で積んできた経験がユニークなものだったり、努力で得たことをこれからの学びにどう活かすかが明確だったりすればするほど、無数の志望理由書を見る大学側の目にとまるのはいうまでもありません。

将来の夢や目標は描けているか

将来の夢や目標は描けているか

受験者が将来の夢や目標を描けているかどうかは、大学が志望理由書で必ずチェックするポイントです。なぜなら大学は、将来の夢や明確な目標があり、それに向けて志望大学・学部で学びたいと思っている受験者を求めているからです。

夢や目標のため、学ぶ意欲が強いことをアピールする必要があります。

その大学・学部でなければならない理由は明確か

その大学・学部でなければならない理由は明確か

受験者が「将来の夢や目標を実現するために学ぶのは、この大学・学部でなければならない」という理由をはっきりと書いているかどうかが、志望理由書の重要なポイントです。

数ある大学・学部の中で当該大学・学部を選んだ理由を書くだけでなく、大学・学部の研究内容の特長やオープンキャンパスに足を運んで知ったことなどについてふれれば、アピール力と説得力が増すでしょう。

大学の志望理由書に書くべき内容

大学の志望理由書を書く際には、いくつか押さえておきたい内容があります。ここでは、志望理由書に書くべき内容について解説します。

大学や学部・学科を志望したきっかけ

大学や学部・学科を志望したきっかけ

志望理由書には、志望大学や学部・学科を志したきっかけを必ず書きましょう。これは、志望大学・学部の学びと、自分の過去の経験が密接にリンクしているかどうかを判断するため、なくてはならないものだからです。

志望理由にその人らしさ(オリジナリティ)を出すためにも、志望したきっかけは極めて重要なので、具体的なエピソードを交えて記入してください。

また、志望動機には「志望した大学(学部・学科)でなければならない理由」が不可欠です。「ほかの大学や学部でもいいのでは?」と受け取られないように注意する必要があります。

将来の夢や目標

将来の夢や目標

将来の夢や目標は、志望理由書に書くべき要素といえます。これは、大学が受験者に対して卒業後も社会で活躍してもらいたいと考えているからです。志望動機から社会に出て活動するまでの道筋が明確に描けている人ほど、大学は期待感を抱いて「この受験者を合格させたい」と思うようになるはずです。

学後に学びたいこととその計画

学後に学びたいこととその計画

志望理由書に大学入学後に学びたいことと、それを実行するための計画が具体的に書かれていれば、合格の可能性は高まります。それは、受験者の学びに対する意欲が強いことと、計画性が備わっていることが大学に伝わるからです。

ただし、大学や学部で学びたいことが研究の実態とかけ離れていたり、計画に無理があったりすると逆効果となる可能性もあります。大学についてよく調べ、無理のない計画を書くようにしましょう。

大学の志望理由書を書く際の注意点

大学の志望理由書を書く際の注意点

大学の志望理由書を書く際には、いくつか気をつけなければならないポイントがあります。ここでは、志望理由書を書く際の注意点について紹介しましょう。

文字をきれいに読みやすく、誤字・脱字のないように書く

志望理由書は、パソコンで書くことが認められている場合もありますが、手書きで書く場合にはきれいな文字で、誤字・脱字のないようにします。

何より大切なのは、読み手にとって読みやすいこと。文字の大きさをそろえたり、太く濃く書いたりするといった工夫をしましょう。これは、何枚も志望理由書に目を通さなければならない読み手への配慮ともいえます。何も特別に達筆である必要はありません。

文末表現をそろえ、重複を避ける

志望理由書を書く際には、文末表現は「だ・である」の常体か、「です・ます」の敬体のいずれかにそろえて書きましょう。

なお、「~です。~です。~です。」と、同じ文末表現を重ねると文章のリズムが単調になり、読みにくくなりがちです。また、稚拙な印象を与えかねません。「~です。~と考えています。~だと推察します。」といったように、重複を避けることで読みやすさは増すでしょう。

一文一義を心掛ける

志望理由書に限りませんが、主語と述語の関係を明確にし、1つの文には1つの情報を入れるという「一文一義」を心掛けてください。一文一義を徹底することによって、文章は読みやすくなります。

反対に、一文にたくさんの情報が詰まっている文は読みにくく、主語と述語の関係もねじれがちです。情報を詰め込みたい気持ちは抑えつつ、意味が伝わりやすい文章を書きましょう。

原稿用紙のルールを守る

原稿用紙のルールを守る

手書きで志望理由書を書く場合、原稿用紙のルールを守ることにも注意しておかなければなりません。
原稿用紙のルールには、具体的には下記のようなものがあります。

<原稿用紙の主なルール>

  • 書き出しや段落は1マス空ける
  • 句読点・カッコは1マスとする
  • 会話文などは改行しカッコで囲む

ちなみに、志望理由書は志望大学に提出する公式書類のため、話し言葉や略語などのくだけた表現を使うのはNGです。

大学の志望理由書のルール

大学の志望理由書のルール

志望理由書は、大学によって定められた条件に従って書かなければ、減点されたり、無効になってしまったりする可能性があります。ここでは、志望理由書に関するルールについて解説します。

所定の用紙に書く

志望理由書は、大学・学部によって定められた用紙に書く必要があります。様式は大学・学部ごとに定められているケースが一般的です。用紙は白いフリースペースだったりマス目で区切られていたりするほか、罫線が引かれている場合があります。また、サイズも大学によってさまざまです。

いずれにしても、所定用紙を大学のウェブサイトからダウンロードするなどして入手した上で記入してください。

決められた文字数内で書く

決められた文字数内で書く

志望理由書の文字数は、大学・学部ごとに指定されているため、その文字数内に収めなければなりません。原稿用紙がマス目で区切られているか、罫線のみかといったことにかかわらず、全体の8~9割は埋めるようにしましょう。

志望度の高さをアピールしようと、指定文字数をオーバーし、場合によっては裏面まで書いたとしても、それはアピールとは受け取られません。むしろ、決められたルールを守れないと判断され、減点対象となる場合が多いので注意が必要です。

志望理由書を書く際にはできる限り冗長な表現は避け、端的にまとめるようにしてください。

設問に従って書く

志望理由書には、設問が決められている場合があります。設問は「志望する理由を記入してください」というシンプルなものをはじめ、「高校時代に取り組んだ活動とその活動を通じて成長したこと」や「現代社会の諸問題に対する関心を含めて記載してください」といったものもあるでしょう。

大切なのは、その設問に従って、明確かつ具体的に書くことです。設問に対して正しく回答しないと、大学での研究活動に不可欠な論理性に乏しいと判断される可能性があります。

大学の志望理由書を書く前に準備すること

志望理由書は、学校推薦型選抜や総合型選抜の出願時に提出するケースが一般的です。ここでは、志望理由書を書く前に準備しておきたいことについて解説します。

自己分析を行う

自己分析を行う

志望理由書を書く前の準備として、まずは自己分析を行いましょう。自己分析は、自分のこれまでの経験を振り返って長所・短所や価値観を整理・把握し、自分なりの強みや将来の目標を発見することです。自己分析の結果は、大学・学部の志望したきっかけを書く際に役立ちます。

自己分析とはいえ、自分のことは意外なほど自分ではわからないこともあります。時には客観的な視点が必要になることもあるので、家族や友人に「自分はどのような人間なのか」をヒアリングしてみるのも有効です。

大学・学部のアドミッション・ポリシーをチェックする

大学・学部は、必ずアドミッション・ポリシーを公開しています。志望理由書を書く前に、大学のウェブサイトやパンフレットなどでアドミッション・ポリシーをチェックし、どのような学生像を求めているのかを確認しましょう。

その上で、自己分析の結果と照らし合わせ、自分の強みと求める学生像との共通項や、自分と近しいポイントを探ってみるようにしてください。

志望大学・学部で学ぶことをチェックする

志望大学・学部で学ぶことをチェックする

志望理由書を書くときは、志望大学・学部の教育内容をチェックすることをおすすめします。これは、「なぜこの大学・学部でなければならないのか」という理由を書く際に、具体性を持たせるためです。

志望大学・学部についての研究は、大学のウェブサイトやパンフレットを読んだり、進学した先輩に話を聞いたりして行います。夏頃に行われるオープンキャンパスに足を運んで講義を体験したり教員に話を聞いたりして、雰囲気を確かめるのも効果的です。

志望大学・学部と自分との関連性を考える

志望理由書を書き始める前に、自己分析で見つけた自分の強みや将来的なイメージと、志望する大学・学部との関連性についてよく考えることも必要です。

理想的なストーリーとしては、「自分のこれまでの経験から得意なことや強みが活かせる職業に就きたいと考え、そのために志望する大学・学部で学びたい」といったものでしょう。ただし、研究内容が似た学部・学科が近隣にいくつもある場合、「それならば、ほかの大学でもいいのでは?」と思われかねません。

「なぜこの大学で学びたいと考えたのか」や「ほかの大学よりも志望度が高いのはなぜか」を自身に何度も問いかけ、第三者が納得できるような関連性が書けるよう、深く考えることをおすすめします。

大学の志望理由書の失敗例

大学の書類選考は、ポイントをきちんと押さえた志望理由書にしなければ、落とされてしまうでしょう。ここでは、志望理由書の失敗例についてご紹介します。

自己分析が甘く、自分のやりたいことが書かれていない

自己分析が甘く、自分のやりたいことが書かれていない

自己分析が甘く、自分のやりたいことが明確に書かれていない志望理由書は、書類選考で落とされてしまう可能性が高くなります。

きちんと自分に向き合えないと、「自分の強みはおろか、弱みも把握できていない」とみなされるため、主体性が求められる大学の研究活動の途中で、迷走したり挫折したりする可能性があると判断されるかもしれません。

自分の夢や目標が経験とリンクしていない

自分の夢や目標が書かれていても、これまでの経験との脈絡がないと、志望理由書としてはプラスの評価を受けにくくなります。

これは、考え方や行動の一貫性や論理性・計画性が乏しいと判断され、みずから課題を発見して学ぶ必要がある大学教育において、期待される成果を挙げられそうにないとみなされるのがその理由です。

その大学・学部でなければならない理由が書かれていない

その大学・学部でなければならない理由が書かれていない

出願した大学・学部を志望する理由が明確に書かれていないものは、志望理由書としてNGといえるでしょう。

ほかの大学・学部に進学しても特に問題がないような書き方だったり、「自宅から近いから」「キャンパスが新しくてきれいだったので」という理由しか書かれていなかったりすると、志望する動機が弱いと受け取られる可能性が高くなります。

また、取り組みたいテーマを熱く述べても、実際には志望大学に該当する学部・学科やゼミが存在しない場合もあります。大学研究を十分行い、実情ときちんとリンクさせるようにしてください。

大学の志望理由書の具体的な書き方

大学の志望理由書の具体的な書き方

大学の志望理由書は、下記のように4段構成で書く方法がおすすめです。

<志望理由書の構成例>

  1. 志望動機
  2. 志望のきっかけ
  3. 大学生活で取り組みたいこと
  4. 全体のまとめ

また、将来の夢や目標が明確に決まっている場合は、下記の構成にすることをおすすめします。

<志望理由書の構成例:夢・目標実現型>

  1. 将来の夢や目標とその理由
  2. 夢や目標の実現につながる大学を選んだ理由
  3. 夢や目標実現のため大学生活で取り組みたいこと
  4. 全体のまとめ

大学で研究したい社会課題やテーマがある場合には、下記の構成にするのがいいでしょう。

<志望理由書の構成例:問題提起型>

  1. 問題意識を抱いている社会課題やテーマと自分の考え
  2. 問題解決につながる大学を選んだ理由
  3. 問題解決のため大学生活で取り組みたいこと
  4. 全体のまとめ

大学はこれらの志望理由書を通じて、受験者の目的意識や学びに対する意欲、人間性などをチェックします。

大学の志望理由書の具体例

大学の志望理由書の具体例

大学の志望理由書において最も重要なのは、その大学・学部でなければならない理由が明確に書かれていることです。OK例・NG例について、具体的な例(400字)は下記のとおりです。

<法学部の志望理由書OK例>
私は貴学法学部法律学科において法律について学び、将来は現代社会の諸課題に法的にアプローチできる弁護士になりたいと考えている。私が法学に興味を持ったきっかけは、中学生の頃にふれたニュースが元だ。SNS上で有名人が誹謗中傷により命を絶ってしまったニュースや、誹謗中傷を受けて苦しむ犯罪被害者遺族のテレビドキュメンタリーを見て、私は非常に心を痛めた。そして、SNSという現代的なツールを介して起きる諸課題を、法律によって解決したいと考えたのである。貴学を志望したのは、法学部の3学科を縦横無尽に履修でき、多様な学びが可能だからだ。知識の幅に広がりを持つことは多角的な視点の獲得につながり、社会課題解決の一助となるだろうと考える。また、法学部独自の留学プログラムも魅力的だ。海外の大学で専門科目を学んだり、裁判所などでフィールドスタディを行ったりしたいと思う。以上の理由から、貴学への入学を志望する次第だ。

<医学部の志望理由書NG例>
私はNICU(新生児集中治療室)で働く小児科医になる目標があるため、貴学医学部への入学を志望します。私が小学生の頃、生まれたばかりの弟に呼吸の問題があり、NICUに運ばれたことがありました。すごく心配でしたが、小児科医の先生が懸命に対処してくださり、弟は一命を取りとめることができました。家族が涙を流してすごく感謝しているのを見て、私は「小児科医ってかっこいいな」と憧れました。ドラマの『コウノドリ』をネトフリで観て、いっそう思いは強くなりました。貴学は最新の医療設備が整っており、自宅からも非常に通いやすい場所にあるので、ぜひ進学したいです。私は貴学で小児科の勉強に励みたいと思います。このような理由から、私は医学部を志望します。よろしくお願いします。

OK例は、「その大学・学部でなければならない理由」が明確に書かれています。一方のNG例では、志望するきっかけとなったエピソードに多くの分量を割いており、それに対して「その大学・学部でなければならない理由」が不十分です。

また、NICUで働くには、小児科医になった後に小児科専門医・新生児専門医の資格を得なければなりませんが、その知識や認識が不足していると判断されかねません。稚拙さが残る表現も、注意したいポイントです。

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大学の志望理由書はディアロのアウトプット学習で対策しよう

大学の志望理由書はディアロのアウトプット学習で対策しよう

大学の志望理由書は、学校推薦型選抜や総合型選抜の出願時に提出し、書類・面接選考で用いられる書類です。志望理由書には、志望するきっかけや入学後の学びに対する意欲を書く必要がありますが、重要なのは「なぜその大学・学部でなければならないのか」を、文章で志望大学にはっきりと伝えることでしょう。
面接を受ける際、仮に受け答えがうまくいかなくても、志望理由書に主張がきちんと書かれていれば、その書面がしっかりとリカバーしてくれるはずです。

ただし、文章による表現力を養成するには、アウトプットを重視した専門的なトレーニングが必要となる場合があります。表現力を鍛えるため、アウトプット学習のノウハウがある大学受験専門塾でトレーニングすることをおすすめします。
また、大学受験専門塾なら、各大学・学部の情報やオープンキャンパスの情報も収集しているので、効率的な学習が可能です。

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<大学受験ディアロの3つのカリキュラム>

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■監修

武田優士(たけだ・まさし)
株式会社ゼニス ディアロ運営部課長兼指導開発課課長。大学受験領域を専門として、学習塾の運営に2002年から20年間携わる。以前は集団塾で教壇に立ち、授業・科目指導(英語)を担当したことも。現在は、ディアロのスクールを管轄するエリアマネージャーのほか、責任者として商品開発・公民事業・マーケティングに従事。

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