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大学入学共通テストとは?科目選択の方法や配点・2023年の日程について
2回の試行調査(プレテスト)を経て、2021年1月にはじめて実施された大学入学共通テスト(以下、共通テスト)。
記述式問題の出題見送りなど、紆余曲折があったことが記憶に新しいと思います。
ここで、共通テストが実際にどんな試験だったのかを振り返り、今度の対策ポイントを考えてみたいと思います。
出願についても詳しく解説しますので、勉強の合間などにぜひお読みください。
東京大学 文科一類 / 東京工業大学 理学院 / 一橋大学 法学部 / 東京医科歯科大学 医学部[医] / 北海道大学 医学部[医] / 東北大学 工学部 / 早稲田大学 政治経済学部 / 早稲田大学 商学部 / 早稲田大学 創造理工学部 / 慶應義塾大学 法学部 / 慶應義塾大学 経済学部 / 慶應義塾大学 理工学部 / 上智大学 外国語学部 / 東京理科大学 理学部第一部 / 東京理科大学 工学部 ほか多数合格!
※大学受験ディアロ・大学受験Dialo onlineの2022年度入試実績です(在籍生のみ/講習のみ・体験のみは含まず)。
2016年大学受験ディアロ開校以来、各年度入試ののべ合格数について比較し2022年度が過去最多。
この記事の目次
共通テストとは?
「大学入学共通テスト」とは、高校における基礎的な学習内容の達成度の判定をおもな目的として行う入学試験のことです。
センター試験と同様に、毎年1月中下旬の土曜・日曜の2日間に、日本各地で一斉に実施されます。
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大学入学共通テストの「特例追試験」とは?
国公立大学を一般選抜(旧:一般入試)で志望する受験生が共通テストを受けるほか、学校推薦型選抜(旧:推薦入試)、総合型選抜(旧:AO入試)でも、一部の大学・学部で共通テストが課されます。
また、500を超える私立大学が合否判定に共通テストの得点を利用する「共通テスト利用方式」を採用しています。
共通テストを利用する国公立・私立大学が、それぞれの判断と創意工夫に基づき適切に用いることにより、大学教育を受けるにふさわしい能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定します。
共通テストの教科は、数学、国語、外国語(英語)、理科、地理歴史、公民で、受験生はこの6教科30科目から、志望大学・学部に必要な科目を選びます。
数学と国語で予定されていた記述式問題の導入が見送られたため、現段階での出題方式は、全科目マークシートです。
ただし、センター試験よりも思考力・判断力・表現力が必要とされる作問になっています。
まずは、2023年度の試験スケジュールを見てみましょう。
2023年度 共通テスト試験日程
2023年度の共通テストの試験日程が発表されました。
■試験期日
【本試験】
2023年1月14日(土)・15日(日)(全都道府県)
正解等の発表:2023年1月14日(土)・15日(日)
平均点等の中間発表:2023年1月18日(水)予定
得点調整の有無の発表/段階表示換算表の発表:2022年1月21日(金)予定
【追試験】
2023年1月28日(土)・29日(日)(全都道府県)
正解等の発表:2023年1月28日(土)・29日(日)
平均点等の最終発表:2022年2月6日(月)予定
成績通知書の送付(出願時に希望した者のみ):2023年4月3日(月)以降
■大学への成績提供
2023年2月6日(月)以降
<大学へ提供される成績>
・科目別得点、合計得点等(国語は大問別成績も)
・各科目の成績を段階表示したもの
共通テストの成績提供には、従来の「科目別得点、合計得点等」に加え、「各科目の成績を段階表示したもの」が追加されています。
これは、スタナイン(Stanine)と呼ばれる方式で科目別得点を9段階に換算したものです。分位点による区分法の一つを用いて受験者を得点順におおよそ4、7、12、17、20、17、12、7、4%の群に分割し、科目別得点を得点の低い方から順に1から9の9段階に換算します。
共通テスト実施後には、正解表等とあわせてスタナインの換算表も公表されます。
国公立大を志望する受験生は、解答速報などを使い自己採点を行い、その結果をもとに出願大学を決めます。共通テストで自身の解答を問題冊子に転記する際に、くれぐれも間違いのないようにしましょう。
共通テストでは何が変わるのか?
では、いまなぜ共通テストに変える必要があったのでしょうか。
文部科学省は、これまでの知識・技能偏重型の試験から、知識・技能を基に、それを活用する思考力・判断力・表現力、さらに主体性・協働性・多様性を問い、それにより現代社会の問題を解決できる人財を育てるため、としています。
このため、センター試験とは違い、マークシート式の問題でも、複数の資料や文献から情報を整理して解答を導き出す問題や、「正しいものをすべて選べ」などの正解が1つとは限らない問題が出されます。
基本的な知識が定着していることを前提に、覚えた知識・技能を「どのように活用するか」が問われるのです。
共通テストにおけるセンター試験からの具体的な変更内容は、以下のとおりです。
科目 | 変更内容 |
数学①(数学Ⅰ/数学ⅠA) | 試験時間が60分⇒70分に変更 |
理科②(物理/化学/生物/地学) | センター試験で出題されてきた選択問題については設定しない |
外国語 |
|
学力の3要素と生きる力
変わろうとしているのは、共通テストをはじめとした大学入試だけではありません。「高大接続改革」のもと、高校教育と大学教育も変わろうとしています。
近年、知識・情報・技術をめぐる変化の早さが加速度的となり、情報化やグローバル化といった社会的変化も予測を超える勢いで進展しています。予見困難な時代のなかで、新たな価値を創造していく力を育てることが高大接続改革の目的です。
新たな価値を創造していく力を育てるためには、「学力の3要素」が重要だとされています。
<学力の3要素>
1)知識・技能の習得
既知の問題を解くために、十分な知識・技能が求められる
2)思考力・判断力・表現力
知識・技能を基盤にして、未知の問題に対して解答を見いだしていく力
3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
知識・技能の思考・判断・表現を基盤として、答えが1つに定まらない問題に対して、他者と多様な考え方を協働して、最適解を見いだしていく力
これまでの学校教育では、暗記が主となる詰め込み式の学習や、教師が生徒に一方的に授業を行う学習が行われてきました。そんな受け身の学習から、これからの社会で必要になる主体性や思考力などを育てる方向にシフトするのです。
具体的には、2022年度に高校教育課程で新しい科目として「情報I」が必修科目になり、高校生全員がプログラミングを学びます。他にもアクティブ・ラーニング教育などで、生徒がみずから積極的に学習する姿勢を育みます。
大学入試改革はまだはじまったばかり。今後は、英語の資格・検定試験の利用などで、学力がいっそう多面的・総合的に評価されるようになるでしょう。また、2025年1月の共通テストから「情報」の科目を追加することも検討されています。
2023年度 共通テスト 出題教科・科目・試験時間・配点等
ここでは、共通テストの教科・科目ごとの配点や選択方法を見ていきます。第1回 共通テストの実施結果も簡単にご説明します。
教科 |
科目 |
試験時間 |
配点 |
選択方法 |
|
地理 |
「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」 |
[1科目選択] 60分 |
各100点 |
10科目から最大2科目を選択解答 |
|
国語 |
「国語」 |
80分 |
200点 |
|
|
外国語 |
「英語」 |
英語 |
[リーディング] 80分 |
100点 |
5科目から1科目を選択解答 |
[リスニング] 60分 |
100点 |
||||
ドイツ語/フランス語/中国語/韓国語 |
各200点 |
||||
理科① |
「物理基礎」 |
[2科目選択] 60分 |
各50点 |
8科目から以下いずれかの選択方法により科目を選択解答する A:理科①から2科目 |
|
理科② |
「物理」 |
[1科目選択] 60分 |
各100点 |
||
数学① |
「数学Ⅰ」 |
[1科目選択] 70分 |
各100点 |
2科目から1科目を選択解答 |
|
数学② |
「数学Ⅱ」 |
[1科目選択]60分 |
各100点 |
4科目から1科目を選択解答 |
2021年2月18日に大学入試センターが発表した共通テストの実施結果によると、共通テストは、本試験2日程と追試験、特例追試験をあわせて、総受験者数48万4,114人、受験率は90.45%。平均受験科目数は、5.62科目でした。
センター試験の受験率は95%前後で推移していたため、90.45%という過去最低の受験率が目立ちます。
新型コロナウイルスの影響もあり、近年顕著な受験生の安全傾向に拍車がかかり、出題傾向が掴めない共通テストが敬遠されたのだと思われます。
共通テスト利用大学・短期大学数は866大学で、内訳は、[国立大82、公立大91、私立大533、公立専門職大1、私立専門職大4、公立短大13、私立短大142]となっています。
どの科目を受験すれば良い?
共通テストでは、各大学が選考に必要な教科・科目を設定しています。このため、志望する大学・学部・学科に合わせて、共通テストで受験する教科・科目を選び、出願時に以下4つを申し出て登録します。
正しく登録しないと、希望する教科・科目を受験できないため、注意しましょう。確認はがきを確認した際に、記入ミスなどによる選択の誤りを見つけた場合は、訂正を届け出ることができます。
1)受験教科
2)地理歴史、公民の受験科目数
3)理科の科目選択方法
4)数学②の「簿記・会計」「情報関係基礎」、外国語の「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」の別冊子試験問題の配付希望
また、地理歴史・公民、理科②で、合否判定に1科目の得点のみを利用する大学では、2科目受験したとしても、高得点の科目ではなく先に解答した科目(第1解答科目)が採用されることがあります。
特に国公立で多く、私立でも難関大学では第1解答科目指定が多くなっています。第1解答科目をどれにするかは、共通テスト当日に自分で決められるため、高得点が期待できる得意科目を先に解答するといいでしょう。
なかには特定の科目を第1解答科目として指定する大学もあるため、志望校の指定方法を必ず確認しておきましょう。
共通テスト「理科」の選択方法
なかでも理科は、科目選択が4パターンもあり、選ぶのが難しい教科です。
大まかな傾向として、国公立大の文系学部ではAパターン、国公立大の理系学部ではDパターンを課すことが多いようです。
志望大学がA~Dのどれを課しているのか、必ず確認しておきましょう。
2023年度 共通テスト「理科」の出題科目の選択方法
A |
基礎2科目 |
「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」から2科目を選択 |
B |
専門1科目 |
「物理」「化学」「生物」「地学」から1科目を選択 |
C |
基礎2科目+ |
「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」から2科目+ |
D |
専門2科目 |
「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目を選択 |
共通テストの難易度は?
数学と国語において記述式問題の実施が見送られたため、現状では、共通テストは全教科「マークシート方式」で実施されます。設問は、どの科目も基礎がしっかりと身についているかどうかに重点が置かれています。
共通テストは、国公立、私立の各大学が単独で行う二次試験や個別試験に進むための一次試験的な位置づけのため、個別試験(二次試験)と比べると、難しい問題が出ることはありません。とはいえ、複数の図表などから解答を導き出す思考問題が出題されるほか、長文を読み解く力も求められるなど、やや難易度が上がっています。
このため2021年度の共通テストは、センター試験よりも低い50%台の平均点になる予想でしたが、採点結果が出てみると実際にはほぼ変化はありませんでした。これは、コロナ禍での受験という事態にありながら、共通テスト対策をしっかり行うなど、受験生ががんばった結果といえるでしょう。
また、数学と理科において試行調査での問題点が改善されたことが得点につながり、全体の平均点を引き上げたようです。
共通テストのポイント
共通テストは、いわば大学入試の第1関門。高得点を挙げれば、国公立はもちろん、共通テスト利用入試を行う私立大学の合格もグッと現実味を帯びてきます!それでは、共通テストで高得点を狙う上で大切なことは何でしょうか?
共通テストは、出題傾向や試験時間が従来のセンター試験とは異なります。まずは予想問題を解いて、出題パターンや時間配分に慣れましょう。また、共通テスト模試を受けることもおすすめします。
センター試験の良問は、共通テストに引き継がれるとされています。センター試験の過去問は、最低でも5年分は解きましょう。解説も含めてしっかり理解しておくと、きっと得点源になりますよ。
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高得点を狙うためのポイント3つ
共通テストは思考力がカギ
共通テストでは、従来よりも「思考力」を問う問題が増えます。どの問題でも、解答に対して「なぜそうなったか」を常に考えると非常に有効です。
例えば、数学では解法パターンや公式などを丸暗記するのではなく、成り立ちから理解できれば、類似問題に対応できる=初見の問題も解ける力が身につくのです。
また、理解を確実にするためには「人に説明する」という学習法もおすすめです。自分で自分に説明しても構いません。「説明すること」を意識すると、理解のぬけやもれが埋まるほか、問題への印象が強まることで長期記憶にもなりやすいのです。
苦手科目を克服する
どの科目でも合格ライン付近は、ほぼ同じ学力の受験生によるデッドヒートになります。わずか1点差で合否がわかれることもあるのです。1点差で勝利する側になるには、苦手科目の克服が要になります。
例えば、3科目入試で苦手な1科目の得点が伸びず、得意科目でカバーしたいとします。この時に苦手科目の失点が大きすぎると、カバーしきれず、逆に1点に泣く側になってしまいます。
苦手な科目でも「やや苦手~普通」までレベルアップしておくと、得意科目の優位性が高まります。
自分なりの時間配分を考える
センター試験でもよく聞かれたのが、問題量の多さから「時間が足りない」ということ。
共通テストでは、資料や図などの読解が増えますが、試験時間はそのままという科目がほとんどです。時間感覚を磨くほか、解答にすばやくたどり着く力が求められます。これには、普段の受験勉強で時間を意識することや、模試をたくさん受けることが効果的です。
また、問題は大問1から順に解答する必要はありません。高得点を狙える時間のかけ方、解く順番は人によって異なるはずです。過去問や予想問題に何度も取り組み、「自分なりのスムーズな解き方」を身につけていきましょう。
共通テストの目標点
共通テストで満点をとる必要はありませんが、合格ライン(目標点)はクリアする必要があります。
目安になるのは、各大学の案内パンフレットやWebサイトに掲載されている「合格最低点」です。入試の合否は、受験したすべての教科・科目の合計得点で決まります。国公立なら、共通テスト(5~6教科が主)と2次試験(2~3教科が主)の合計得点、私立なら主に2~3教科の合計得点になるでしょう。
合格最低点とは、合格者のうち順位が最下位の人の得点です。素点または得点率(合格最低点÷満点)と大学・学部によって異なるため、「合格ライン」「ボーダーライン」とも呼ばれています。合格を勝ち取るには、これらのラインを上回ることが必須です。
目標点はどう設定する?
私立難関大の目標点
私立難関大の一般選抜は、厳しい競争となります。合格ライン付近にほぼ同じ学力の受験生がひしめきあい、1点差で合否が分かれることも。
この場合、「高得点を狙うためのポイント3つ」の3つ目でお伝えしたように、「得意科目」による優位性と、「苦手科目」を克服しているかが決め手になります。苦手科目は受験までに克服しておきましょう。
私立大の共通テスト利用入試における合格ラインの目安として、難関私立大なら8割以上必要な大学が多く、なかには9割近い点数がボーダーラインとなる大学や学部もあります。
国公立大の目標点
センター試験は、高校の学習範囲における「学習の達成度を見る」ための試験であり、基本的に出題は教科書の範囲内、受験者全体の平均点が60%前後になるように作られてきました。難化がささやかれた第1回共通テストですが、平均点は、センター試験と同様であったため、センター試験を参考に合格ラインを考えることができます。
これまでセンター試験の合格ラインは、医・薬学部や超難関国公立の8割台を除くと、6~7割台で推移していました。
国公立大志望者の共通テストの目標得点を7割とすると、5教科受験なら、3教科の得点割合で最低6割、のこり2教科の得意科目で8~9割台を目指しましょう。志望校が特定教科の比率を高める傾斜配点の場合、得意教科があると断然有利になります。
いずれにしても「合格ライン」「ボーダーライン」は、入試問題の難易度や倍率の変動、科目数や配点の変更などにより、年度によって異なります。特に、新入試である共通テストでは、まだ判断が付きづらいでしょう。
自己採点の得点で一喜一憂せず、共通テスト2日目を終え、大手予備校の共通テスト予想平均点、予想ボーダー得点率が出そろうまで待ちましょう。その結果から、最終的に受験する大学を決めましょう。
共通テストの出願・申し込み
共通テストに出願できるのは、高等学校卒業者、高等学校卒業見込者(いずれも高等専門学校を含む)および高卒認定試験合格者、高卒認定試験出願者の資格を持つ者になります。
外国にある学校(インターナショナルスクール等)の修了者は、日本の大学への入学資格が認められないケースがあるため確認が必要です。
また、共通テストの検定料は、受験科目数および成績通知の有無によって異なります。
共通テスト 検定料
3教科以上:18,000円
2教科以下:12,000円
※成績通知を希望する場合は、別途800円の手数料がかかる。
※地理歴史・公民は、2教科を合わせて1教科と数える。
共通テストの出願はいつから? 振込はいつまで?
共通テストの出願期間は、9月末~10月初旬になります。
2022年度の出願は、2021年9月27日(月)~10月7日(木)です。
出願書類に自分が受験する教科・科目を記入するため、出願までに決めておく必要があります。
2023年度 共通テスト出願から受験までの流れ
検定料等払込み 2022年9月1日~10月6日
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出願 2022年9月26日(月)~10月6日(木)(最終日消印有効)
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登録内容の確認 2022年10月下旬までに確認はがき到着
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受験票到着 2022年12月中旬まで
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受験 2023年1月14日・15日、または1月28日・29日
共通テストの申し込み方法(現役生・浪人生)
受験案内(志願票など出願書類を含む)の取り寄せ・出願方法ともに、現役生と既卒生とで異なります。
現役生は、在籍している学校経由で共通テストの受験案内を取り寄せ、出願も学校経由で行います。既卒生やほかの出願資格を有する者は、個人で共通テストの受験案内を取り寄せます。
受験案内は、共通テストに参加する各大学の窓口で配付されるほか(受け取る際は事前問合せが必要)、インターネットや電話を利用して、全国学校案内資料管理事務センターから取り寄せることもできます(送料・手数料が必要)。
そして出願も個人で行いますが、書類は必ず「簡易書留郵便」で送付しなければならないため注意しましょう。
共通テストの出願書類(現役生・浪人生)
出願に先立って検定料の払い込みがありますが、受付局の日附印が必要なためATMではなく、窓口から払い込みます。
払った後に払込書の右端部分が渡されるので、渡された部分の右側を切り取って、志願票の所定の欄に貼り付けます(「受付局日附印」が押されていることを必ず確認)。
残った部分が控えとなるため、大切に保管しておきましょう。
出願書類
<現役生>
・志願票
・検定料受付証明書
<既卒生等>
・志願票
・検定料受付証明書
・出願資格を証明する書類(高等学校卒業者の場合は卒業証明書(原本)、高等学校卒業程度認定試験合格者は合格証書のコピーまたは合格証明書(原本))
出願資格を証明する書類は、発行や郵送に時間がかかる場合があります。できるだけ早く、遅くても出願1ヵ月前の8月頃には必ず申請しておきましょう。
志願票は、第Ⅰ面、第Ⅱ面の2面構成になっています。記入にあたっての注意事項を読みながら、両面とももれなく記入しましょう。
記入上の注意
志願票は、必ず志願者本人が黒のボールペンで丁寧に記入します(病気・負傷や障害などのために記入が困難な場合は、保護者などが記入)。消せるボールペンは使用不可。
誤って記入した場合は、二重線を引き、余白部分に修正内容が明確に分かるように訂正してください。その際、文字がマスからはみ出しても構いません(訂正印は不要)。
記入した志願票は必ず両面ともコピーをとり、大切に保管してください。
共通テスト利用入試とは?独自入試との違いは?
各大学が独立行政法人「大学入試センター」と共同で実施する「大学入学共通テスト(以下共通テスト)」は、大学入試センター試験(以下、センター試験)の後継にあたる試験として、2021年度に初めて実施されます。
基本的に国公立大学を志望するすべての受験生が、共通テストを受けます。また共通テスト利用入試を行う私立大学を志望する受験生も、共通テストを受けます。どちらも志望大学が指定する教科・科目を選択することになります。
共通テスト利用入試とは
国公立大学の一般選抜は、共通テスト→2次試験という流れですが、私立大学の一般選抜には「独自入試(単に一般選抜とも呼ばれる)」と「共通テスト利用入試」があります。共通テスト利用入試では、ほとんどの学部・学科で、共通テストの成績のみで合否が決まります。
ですが、一部の大学の学部・学科で独自に作成した個別試験を課すケースがあり、この試験方式を共通テスト併用式(併用型)や、共通テスト利用入試(併用型・併用方式)などと呼びます(大学によって呼称が変わるため、内容をよく確認しましょう)。
共通テスト利用入試は2タイプある
繰り返しになりますが、このように共通テスト利用入試には2タイプがあり、共通テストの成績のみで合否が決まる試験を単独型(単独方式)、共通テストと個別試験の結果で合否が決まる試験を併用型(併用方式)などと呼びます。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
単独型(単独方式):共通テストを受けて出願するだけで合否が決まる
共通テストの結果のみで合否が決まるタイプで、併用型に比べ採用している大学が多い。受験科目は必須科目と選択科目があり、双方を組み合わせるケースもある。2~3科目の受験が主流だが、1科目のみを課す学部・学科もまれにある。また配点は、受験した複数の科目から高得点の科目を採用する場合がある。英語のリスニングが配点対象とされないなど、解答範囲が限定される科目もあるので注意。
併用型(併用方式):共通テスト+大学独自の試験で合否を決定
共通テストの成績と、大学による個別試験の結果で合否を判定。合否は、合計点で判断するケースと、個別試験の結果と比較して点数の高い方を採用するケースとがある。1つの学科で、必要教科数や出願期間を変えた複数の方式を設けることも。また個別試験では、小論文や適性検査が課されることが多い。受験する学部・学科によって、さまざまなパターンがある。
受験生にとって負担の少ない入試方式であることから、単独型(単独方式)は、数多くの私立大学で導入されています。共通テストだけ受験すれば、複数の大学・短期大学・学部学科に出願でき、かつ個別試験も受けずに済みます。もちろん国公立大学とも併願できるため、国公立大学が第1志望の受験生が、私立大学の受験対策をしなくて済む、というメリットもあります。
共通テスト利用入試における共通テストの必要科目数は、一部の難関校で4教科以上とされていますが、ほとんどが3教科以下です。
共通テスト利用入試と独自入試との違い
共通テスト利用入試では、大学が出願者の試験結果を大学入試センターに問い合わせることにより合否が決まります。独自入試では、遠方の大学まで出向いて試験を受けるところ、全国約700会場以上で実施される共通テストには、居住地の近くで受験できるというメリットもあります。ただし、共通テストは試験日が限定されます。独自入試は、試験日も形式もさまざま。組み合わせ次第で、志望校を複数回受験するチャンスがつくれます。
科目数は、私立大学の独自入試は3教科型が中心ですが、最近では2教科以下の大学もあります。共通テストと同等か、少ない科目数で受験できることが特徴です。
共通テスト利用入試を実施する私立大学が増加
共通テストの前身であるセンター試験を入試に利用している、センター試験利用入試の私立大学は、年々増加傾向であり、志願者も増える傾向にありました。
しかし、志願者数においては、2020年度の私立大一般入試のデータによると、独自方式がわずかに増え、センター試験利用方式は大幅に減少しています。これは、センター試験の難化を受けて、センター試験利用入試での受験を控える傾向となったためとみられています。
いよいよ共通テストが実施される2021年度は、GMARCHレベル以上の私立大学で、共通テスト利用入試が増えています。
学習院大学が共通テスト利用入試を新たにはじめ、青山学院大学も、経済学部以外の個別入試で共通テストを課しています。立教大学も英語の多くの学部で共通テストが必須に。また上智大学はTEAP利用型を除き共通テストを採用し、早稲田大学も学部によっては必要となります。
この流れをうけて、超安全志向といわれる昨今の受験生が共通テストを避けるために、国公立や私立上位校の受験を見送るのでは、との見解もあります。
大学入試センターが2020年12月8日に公表した2021年度の共通テストの最終出願者数は53万5,245人で、前年度より2万2,454人減少。ちなみに、第2日程を希望した人は718人にとどまっています。
※短期大学は除く
※大学入試センター発表のデータ(https://www.dnc.ac.jp/albums/abm00035653.pdf)を引用し、グラフ化
共通テスト利用入試のボーダー分析
これまでとは試験で問われる内容も難易度も変わる共通テスト。そうなるとボーダーラインが気になるところですよね。
塾が開催している模擬試験の結果では、ボーダーラインに関して、難関大学は下がらず、地方の国公立や中堅以下の私立大学は概ね5%前後下がるという結果になっています
センター試験から共通テストに変わって難しくなるとは言え、難関大学を目指す受験生にとっては、手ごたえの変化はなさそうです。大学が独自で出題する個別試験と合計しての合格ライン、これまで通りになるでしょう。
ボーダーラインを気にして、何かしら対策をとるという必要はない、と言えます。
共通テスト利用入試のメリット・デメリット
1日程の試験に対して、出願が複数の学部・学科に対して可能な共通テスト利用入試は、一見いいことばかりに思えます。けれど、メリットがあれば、デメリットもあるのが常です。それぞれを見ていきましょう。
共通テスト利用入試のメリット
- 共通テストの成績だけで複数の大学・学部学科を受験できる(個別試験を課す併用型をのぞく)
- 独自入試と併願可能
- 独自入試と比べて受験料が安価
- 共通テストは地元で受験できるため、長距離の移動がなく、費用と時間を効率的に使える
共通テスト利用入試のデメリット
- 募集人員が少ないため倍率が高くなり、合格ラインも上がるケースが多い
- 共通テストへの出願よりも先に出願となる場合があり、早めに志望校を決める必要がある
- 大学によっては、5~6科目が指定される場合もある
共通テスト利用入試の受験料は?
私立大学を受験する場合、学校推薦型選抜・総合型選抜、一般選抜(独自入試)にかかる費用は1校あたり約35,000円となります。一方、共通テストを利用した入試は約15,000円+共通テストの受験料(3教科以上18,000円、2教科以下12,000円)とやや安価になります。
これは共通テストを利用することで、大学が試験問題を作成する手間がかからないためで、その結果、受験料を抑えられるからです。学校によって若干の差異がありますが、当然、何校も併願すると受験費用がかさみます。志望大学の入試システムや受験料をしっかり確認したうえで、合格が見込める大学に出願しましょう。
まとめ
共通テストについて、センター試験との違いを理解していただけましたか?
対策としては、予想問題や共通テスト模試を活用することが必要不可欠です。また、最新の情報を得るために、大学入試センターや志望校の入試情報は、こまめに確認してください。
さらに「共通テスト利用入試」についても、自分の志望校に併せて戦略を練るようにしましょう!
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