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私立大学のセンター試験利用入試とは?合格ボーダーラインも紹介

最終更新日:2023-01-19

近年、大学入試は多様化してきました。その代表格と言えるものが私立大学のセンター試験利用入試です。皆さんも一度は耳にしたことのある入試方式の一つではないでしょうか。そして、このセンター試験利用入試にどのようなイメージを持っていますか?

 今回は知っていたようで意外と知らなかった私立大学のセンター試験利用入試の特徴やメリット、デメリットをお話しします。

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センター試験とは?

センター試験利用入試とは

皆さんが真っ先に思い浮かべる私立大学の一般的な「入試」は、各大学に出願し、各大学側が作った問題で試験をおこない、その結果で合否を決めるものです(「一般入試」と呼ばれる入試方式です)。一方、センター試験利用入試は、センター試験の得点結果を、大学側が合否判定に利用するというものです。センター試験利用入試を利用する大学は年々増え、今では約530校の私立大学で利用されています。特に、首都圏の主要大学では慶應義塾大学、上智大学、学習院大学、学習院女子大学、聖心女子大学を除くほぼ全ての大学で採用されています。センター試験利用入試で受験する場合、受験生は大学への出願のほかに、大学入試センターに出願しセンター試験を受ける必要があります。センター試験利用入試の出願日程や選抜方法は各大学で決定されます。そのため、センター試験の受験科目や、センター試験の結果のみで合否が判定されるのか、それともセンター試験と各大学の個別試験も実施されるのか、は各大学・学部によって異なります。まずは各大学の募集要項を確認し、大学への出願の日程、選抜方法、入試科目などを確認しておくことが大切です。

例:

●千葉工業大学

センター試験利用入試で全学部・学科の出願が可能。

●東京理科大学

A方式:センター試験の結果のみで合否判定を行う。A方式では1学科のみ出願が可能(昼間学部)。
C方式:センター試験(英語・国語)の得点と大学の個別試験(数学・理科)の得点の合計で合否判定を行う。
    C方式では2学科まで出願が可能。また、A方式とC方式の併願は可能。

センター試験利用入試の合格ボーダーライン

「ボーダーライン」という言葉をよく耳にするかと思います。今までにも、この「ディアログ」記事内で使ってきた言葉です。そもそも「ボーダーライン」とはどのような意味なのでしょうか?

それは、「合格者と不合格者の数がほぼ半数になっているライン」のことです。当然ですが、ボーダーラインは各大学によって異なってきますので、HPなどで確認しておきましょう。

センター試験利用入試は一般入試に対して募集人数が非常に少ないので、倍率が高くなりがちになり、ボーダーラインも上がる傾向にあります。多くの学校は入試科目が複数設置しており、その中から自分で選択する方式を取っていますが、科目数が少なければ少ないほど倍率やボーダーラインが上がりやすいです。

以下は明治大学政治経済学部経済学科の例です。一般入試方式とセンター試験利用3科目方式と7科目方式のそれぞれの募集定員とボーダーライン、倍率をまとめたものです。

例:明治大学 政治経済学部経済学科2019年度入試

一般入試方式(募集定員:290名)→ボーダーライン71.1% 倍率3.5倍
センター試験利用3科目方式(募集定員:20人)→ボーダーライン89% 倍率6.2倍
センター試験利用7科目方式(募集定員:50人)→ボーダーライン80% 倍率1.6倍

ご覧の通り、センター試験利用3科目方式ではボーダーラインが約90%で倍率も6倍以上と非常に厳しい勝負になりました。それに対し、7科目方式のボーダーラインは約80%となり標準的な難易度、倍率も1.6倍まで落ち着きます。

データだけ見れば7科目方式の方が圧倒的に有利になりますが、こちらは7科目入試となるので、私立大学専願の受験生にとってはセンター試験だけのために勉強する科目が増えるというデメリットもあります。どちらを選ぶかは皆さんの学習状況次第となると思いますので慎重に決める必要があります。

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センター試験利用入試を受験するメリット

センター試験利用入試は一般入試に対して募集人数が非常に少ないので、倍率が高くなりがちになり、ボーダーラインも上がる傾向にあります。多くの学校は入試科目が複数設置しており、その中から自分で選択する方式を取っていますが、科目数が少なければ少ないほど倍率やボーダーラインが上がりやすいです。

また出願のタイミングも、センター試験前の出願と、センター試験後の出願があります。
特にセンター試験後の出願では、自己採点結果と例年の合格ボーダーラインをもとに、ある程度合格の可能性が高い大学に出願することができるメリットもあります。

さらに、センター試験は1月におこなわれ、ほとんどの大学の一般入試よりも前になるため、各大学の入試本番に向けてモチベーションを高めることができることができます。例えば、上智大学を第一志望とした場合、試験日程は2月の上旬とかなり早い時期に一般入試が実施されるので併願が非常に組みにくくなります。その時にセンター試験利用入試で複数校出願をしておけば自己採点結果をもとにおおよその合格可能性は判断できるというメリットがあります。

センター試験利用入試を受験するデメリット

メリットでもお伝えした通り、1回の試験で多数の大学を受験できるので、その分多くの受験生が出願し、一般入試よりも難易度(合格最低点)が高くなる傾向にあります。特に一般入試に比べて募集人数が非常に少ないこともあるため、倍率は非常に高くなります。

また、受験する大学・学部のセンター試験利用入試で、一般入試で必要な科目以外の科目が必要になるという場合、一般入試のみの場合に比べて学習すべき科目が増えることになるため、センター試験のためだけにその科目をどの程度学習すべきかについても兼ね合いを考える必要が出てきます。

また、複数の大学・学部・方式に出願すればそれだけ検定料も払うことになりますから、金銭面のことも考えて、出願する大学・学部・方式の数を決めていきましょう。その際には前述の「一般入試と併願で割引になる」などの各大学の特典なども確認しておきましょう。

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