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大学受験で英検®取得は有利?利用方法とメリット、注意点を紹介
実用英語技能検定(以下、英検®)は、国内最大級の英語資格・検定試験です。英検®を大学受験で利用することで、受験生はいくつかのメリットが得られ、合否の面で有利になることがあります。では、英検®で取得した級などを、どのようにして使えばいいのでしょうか。
この記事では、英検®を大学受験で利用する方法と具体的なメリット、注意点のほか、大学受験で利用できる英検®などについて解説します。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
※このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
この記事の目次
英語外部検定利用入試を利用して、大学受験を有利に
大学受験において、英検®を活用することで有利になる場合があります。これは、主に英語外部検定利用入試(外検入試)を利用した場合です。
英語外部検定利用入試とは、英検®をはじめとした民間の英語資格・検定試験の合格級や取得スコアを、各大学が実施する入試の際に利用できる制度です。
<英語外部検定利用入試で利用できる外部検定の例>
- 英検®
- TEAP(Test of English for Academic Purposes)
- TOEFL IBT®(Test of English as a Foreign Language)
- TOEIC®(Test of English for International Communication)
- IELTS(International English Language Testing System)
英語外部検定利用入試は、主に各大学の一般選抜と総合型選抜・学校推薦型選抜で利用できますが、入試における扱いは大学・学部によってさまざまです。
英語資格・検定試験の導入は、文部科学省がグローバル化する社会に適した人材育成のため、「読む・聞く・書く・話す」の英語4技能を重視したことがきっかけです。当初予定されていた大学入学共通テスト(以下、共通テスト)で民間の英語資格・検定試験を導入する案は断念したものの、英語4技能の重要性は変わらないため、各大学の個別入試では導入が進んでいます。
これらの英語資格・検定試験で一定以上のレベルに達していると、大学側に得点換算や試験への加点のほか、合否判定といった形で評価される傾向があるのです。
例えば、高校在学中に英検®を受験して準一級(大学中級程度)に合格していれば、その時点で大学教育を受けるのに十分な英語力が備わっているとみなされます。これによって、入試における「外国語(英語)」科目の試験が免除されたり、試験の得点に加点されたりするのです。
英語外部検定利用入試における英検®
英語外部検定利用入試を実施する大学は、増加の一途をたどっています。旺文社教育情報センターが2024年2月に行った調査によると、2024年度入試では全国公立大学・私立大学のうち、60.6%にあたる462大学が英語外部検定利用入試を行っていました。
ここで注目したいのは、英語外部検定利用入試における英検®の利用率の高さでしょう。同センターが2023年7月に公表した「受験生が選んだ外部検定はどれ? <2023年 一般選抜>」では、英語外部検定利用入試受験生の90.0%が、数ある英語資格・検定試験の中で英検®を利用している事実が明らかになっています。
グローバル化が進む中、英語4技能を重視する流れは大きく変わらないため、今後も各大学の入試で英語外部検定利用入試がますます増えていくはずです。そして、さまざまな英語資格・検定試験の中でも、英検®を受けるメリットはひときわ大きいといえます。
大学受験における英検®の利用方法
大学受験の英語外部検定利用入試においては、英検®で取得している一定以上の合格級や、国際的な語学力の指標「CEFR(セファール)」に対応する点数「英検CSEスコア」を利用することができます。ちなみに、2022年度以降、英検®1~3級の成績表には、総合と4技能の英検CSEスコアが表示されるとともに、英検CSEスコアに対応する「CEFRレベル」も記載されるようになりました。
ここでは、大学受験における英検®の利用方法について解説します。
得点換算・試験免除
多くの大学では、英検®の合格級や英検CSEスコアを入試の得点に換算する制度を導入しています。
例えば、英検®準1級を取得している場合、大学の個別試験の「外国語(英語)」科目が免除され、「80点」「140点」といった大学・学部独自で換算した点数で扱われます。また、合格級や英検CSEスコアによって、満点として扱う大学・学部もあるのです。
加点
大学・学部によっては、英検®の合格級や英検CSEスコアに応じて、入試の総得点に加点する制度を設けているところもあります。
例えば、4技能の各技能スコアが570以上で、英検CSE総合スコア2,467を取得していると、入試の合計得点に20点加点されるといったものが挙げられます。
合否判定
英検®の英検CSEスコアは、総合型選抜・学校推薦型選抜のような入試方式において、合否判定の判断基準のひとつとされることがあります。
また、一般選抜でも、英検CSEスコアを大学独自で換算した点数と、共通テストの「外国語(英語)」科目の得点のいずれか高いほうを合否判定に使用したり、合算値で合否を判定したりする大学もあるのです。
大学受験で英検®が出願資格となることがある
英検®の合格級は、大学受験における出願時の資格要件となることがあります。これは、英検®の合格級や英検CSEスコアが大学の設ける基準以上でない限り、出願できないという制度です。
具体的には、一部大学・学部の一般選抜や総合型選抜・学校推薦型選抜において、英検®2級以上を取得していたり、英検CSEスコアが1,980以上であったりするのが出願資格となることがあります。
大学受験における英語資格・検定試験のメリット
英検®の合格級や英検CSEスコアのような英語資格・検定試験は、大学受験において具体的に何が有利になるのでしょうか。ここでは、大学受験における英語資格・検定試験のメリットについて解説します。
出願資格を満たすことができる
さまざまな英語資格・検定試験の合格級やスコアを利用することによって、大学受験の英語外部検定利用入試における出願資格を満たすことができるのは、大きなメリットです。
とりわけ、総合型選抜や学校推薦型選抜においては、英検®2級以上のスコアを必要とする大学が多い傾向があります。また、一般選抜においても、英検®の合格級や英検CSEスコアが高ければ高いほど、出願先の幅が広がります。
共通テストや個別試験で得点換算・加点される
英語資格・検定試験の合格級やスコアは、共通テストや各大学の個別試験の得点に換算されたり、加点されたりするというメリットがあります。
例えば、英検®準1級や1級に合格していると、「外国語(英語)」科目の試験が満点扱いになる大学・学部があります。これにより、他教科・科目の試験に注力できるなどの余裕が生まれるでしょう。また、英検®の合格級や英検CSEスコアによって、試験の総合点に加点される大学・学部もあります。
英語の個別試験が免除される
大学・学部によっては、英語外部検定利用入試の際に英語資格・検定試験の成績を出願時に提出すると、「外国語(英語)」科目の試験が免除される制度を設けているところもあります。多くの場合、試験免除は得点換算とセットになっています。
これにより、ほかの試験教科・科目に時間と労力を割くことができ、効率的な受験対策が可能となるのです。
複数回受験できる
多くの英語資格・検定試験は、年に複数回受験できるメリットがあります。例えば、英検®(従来型)は1年間で3回、全国の試験会場において、マークシート・筆記形式で実施されています。
また、テストセンターのコンピューターを使って受験する「英検S-CBT」は、各検定期間(4~7月、8~11月、12~翌年3月)に、同じ級を2回まで受験可能です。ですから、受験生は自分のペースで受験の準備を進められ、目標の合格級や英検CSEスコアを得るまで挑戦できるのです。
英検®を大学受験で利用する際の注意点
英検®は、大学受験において有効な武器となりますが、利用時に注意すべき点がいくつかあります。ここでは、英検®を大学受験で利用する際の注意点について解説します。
有効期限に気をつける
英検®の合格級や英検CSEスコア自体に有効期限はなく、一度取得すれば永遠に消えることはありません。ただし、大学によっては有効な期限を設けているところもあるため、出願時には注意が必要です。
具体的には、出願のタイミングからさかのぼって2年以内の成績しか利用できないといったケースです。この場合、高校1年生の早い段階で英検®に合格すると、大学が設けている有効期限を過ぎることになります。受験時の利用を考慮し、適切なタイミングで英検®を受験する計画を立てましょう。
志望校の出願資格をよく調べる
大学ごとに英語外部検定利用入試の扱いは異なり、英検®においても合格級や英検CSEスコアに関する出願資格、要件は変わります。ですから、出願前にしっかりと志望校の実情を調べておくことが必要です。
出願前に各大学の公式サイトや募集要項で、英検®の取り扱いを確認しておきましょう。
英語以外の教科・科目の高成績が必要になる
大学受験において、英検®の合格級や英検CSEスコアを利用すると優遇措置が受けられる一方、「外国語(英語)」科目以外の教科・科目では、ほかの受験生と合格のために争うことになります。
仮に、英検®で高スコアを得て入試の英語個別試験を免除されたとしても、ほかにも同じように英語資格・検定試験という制度を利用して試験を免除される受験生がいます。そのような受験生と入試の総合点を競う場合、国語や数学など、他教科・科目で高得点を求められることになるので、特に英語を武器としている受験生には注意が必要です。
英検®受験の費用がかかる
英検®(従来型)や英検S-CBTは、年に何度も受験可能ではあるものの、級によって1万円前後の検定料がかかります。場合によっては検定料だけでなく、対策講座や勉強用の参考書などの費用も必要です。このため、複数回受験した場合、経済的負担の増加がデメリットといえます。
大学受験で利用できる英検®
大学受験の英語外部検定利用入試で利用可能な英語資格・検定試験の中でも、英検®は最も多くの大学で利用できます。英検®の合格級や英検CSEスコアを持っていれば、さまざまな大学の入試で使えるチャンスがあるといえるでしょう。
では、大学受験で利用できるのは、英検®のどのような合格級なのでしょうか。ここでは、大学受験で利用できる英検®の合格級をご紹介します。なお、英検®1級(大学上級程度)を基準として設けている大学はほぼないため、準1級までの取得で問題ないといえます。
ちなみに、公益財団法人 日本英語検定協会は、2025年度から準2級と2級のあいだに新設級を設けることを公表済みです。最新の情報については、同協会のウェブサイトや各大学の募集要項を確認するようにしてください。
準2級:高校中級程度
大学受験に臨む際には、まず英検®準2級の合格を目指すことが重要です。英検®準2級は、高校中級程度の英語力を示すもので、多くの大学で基礎的な英語力を持っていることの証明として評価されます。
2級:高校卒業程度(大学入試レベル)
英検®2級は、高校卒業程度の英語力を証明する合格級であり、入試において非常に有効です。英語外部検定利用入試を実施している大学の多くが、出願資格などに英検®2級あるいは同水準の英検CSEスコアを求めています。
そのため、英検®2級を取得さえしていれば、英語外部検定利用入試の出願資格を得られたり、得点換算や加点などの優遇措置を受けられたりするのです。
準1級:大学中級程度
英検®準1級は、大学中級程度の英語力を示すものです。特に、難関国立・私立大学において、得点換算や個別英語試験の免除、合否判定における優遇措置などを受けることができます。
また、英検®準1級は、高校生における合格率が低い難関資格のため、取得している時点で大学に評価される可能性があります。総合型選抜や学校推薦型選抜などでは、ほかの受験生と差をつけるための強力な武器となるかもしれません。
大学受験に向けて大学受験ディアロで英検®対策をしよう
英検®の合格級や英検CSEスコアは、大学受験で利用すれば、メリットを得られる場合があります。元々英語が好きで、自分の英語力を活かして志望校に合格したいと考えている受験生は、英検®をフル活用した大学受験をおすすめします。
ただし、英検®準1~2級を取得するためには、「書く」「話す」を含む4技能が重要であり、アウトプットを重視した専門的なトレーニングが必要です。表現力を鍛えるため、アウトプット学習のノウハウがある大学受験専門塾でトレーニングすることをおすすめします。
大学受験ディアロでは、「英語資格・検定対策オプション」をご用意しております。特に、英検®については、英検®準1級まで対応した「英検®対策コンテンツ」を使用しており、試験本番に向けた演習を徹底的に行います。英語による「1:1対話式トレーニングコース」も、大学受験ディアロの特徴です。
なお、2024年度の大学受験ディアロでは、3つのカリキュラムをご用意しており、志望する進路に応じてお選びいただくことが可能です。
<大学受験ディアロの3つのカリキュラム>
- 国公立大専用カリキュラム
- 私立大カリキュラム
- 定期テスト対策カリキュラム(学校推薦型・総合型選抜での受験者向け)
志望校合格に向けて、英検®も効率的に勉強したい方は、ぜひ大学受験ディアロの教室見学や無料体験にお申し込みください。志望進路や科目選択がまだ決まっていないという、高校1年生も大歓迎です。
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■監修
武田優士(たけだ・まさし)
株式会社ゼニス ディアロ運営部課長兼指導開発課課長。大学受験領域を専門として、学習塾の運営に2002年から20年間携わる。以前は集団塾で教壇に立ち、授業・科目指導(英語)を担当したことも。現在は、ディアロのスクールを管轄するエリアマネージャーのほか、責任者として商品開発・公民事業・マーケティングに従事。
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