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共通テスト「数学」の範囲と対策|センター試験より難しい?
※この記事は2020年12月7日時点の情報に基づいて作成しています。
みなさん、こんにちは!
大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が近づいてきましたね。
今回から、各科目の出題傾向と、対策・学習法をお伝えしたいと思います。
本コラムでは数学を解説します。
共通テスト対策に、ぜひお役立てください。
目次 |
❑共通テスト「数学」はセンター試験とどう変わった?
センター試験からの大きな変更点が試験時間です。「数学①(数学Ⅰ・数学A)」の試験時間が60分から70分に変更されます。これは、当初予定されていた記述式問題の導入による措置でしたが、最終的に記述式問題の導入は、採点を委託された業者が雇うアルバイトの質や、受験者が自己採点できるのか、などの問題から見送られました。
それでも、試行調査における、受験生からの「時間が足りない」との声を受け、数学ⅠAの試験時間は、センター試験より10分長くなりました。
大学入試センターが発表している数学の出題内容は、以下の通りです。
数学的な問題解決の過程を重視する。事象の数量等に着⽬して数学的な問題を⾒いだすこと,構想・⾒通しを⽴てること,⽬的に応じて数・式,図,表,グラフなどを活⽤し,⼀定の⼿順に従って数学的に処理すること,及び解決過程を振り返り,得られた結果を意味付けたり,活⽤したりすることなどを求める。また,問題の作成に当たっては,⽇常の事象や,数学のよさを実感できる題材,教科書等では扱われていない数学の定理等を既知の知識等を活⽤しながら導くことのできるような題材等を含めて検討する。 |
センター試験の数学は、平均点が60点になるように作問されていました。共通テストは、導入に向けた試行調査(プレテスト)が過去に2回実施され、全科目平均点50点との想定で作問されています。ところが第2回の試行調査で、数学2科目と理科3科目で平均得点率が5割に届かない、という結果に。数学の平均得点率は、「数学I・数学A」34.54%、「数学II・数学B」44.89%でした。
大学入試センターは、「数学的な問題発見・解決の全過程を重視して出題したが、それに伴う認知的な負荷がまだ高かったものと考えられる」と分析しています。
このため、共通テスト本番の問題は、試行調査よりも難易度はおさえぎみに作成されるようです。
❑共通テスト「数学ⅠA」の出題範囲・形式
「数学の基本的な役割を理解し、実際にそれを利用して計算を進め、問題を解決する力を問う」
――これがセンター試験における数学の役割でした。出題はすべての分野からまんべんなく、基本的な知識が「浅く、広く」問われました。
共通テストも同じく、「数学Ⅰ」「数学A」を総合した出題範囲とされ、基本的な知識が問われます。またセンター試験と同様に、第3問~第5問は、3単元から2つを選ぶ選択問題になります。
【数学ⅠAの選択問題】 |
センター試験との違いは、思考力が試される問題が出ることです。問題文に対する読解力・分析力・判断力が試されます。試行調査では、問題文が長くなり、解答には不要な情報が含まれていることもありました。それらを見極めたうえで、どのように考えて解いたのか。単に答えを計算するだけでなく、解法や発想を説明できる力が問われます。
平成29年度の「数学ⅠA」試行調査の問題では、日常で起こる課題を数学的に解決するタイプの問題が出題されています。解決までの過程を振り返り、得られた結果を意味付けし、活用する力が問われています。
また「データの分析」では、「資料」「データ」「分析能力」を活用して解く問題が出ることが予想されます。
❑共通テスト「数学ⅡB」の出題範囲・形式
共通テスト「数学ⅡB」の出題範囲も「数学Ⅱ」「数学B」を総合した出題範囲とされ、センター試験同様に、第3問~第5問が、3単元から2つを選ぶ選択問題になります。
【数学ⅡBの選択問題】 |
そして、数学ⅡBでも、共通テストの特徴である思考力が問われる問題が出ます。
センター試験にはなかった、会話文を含む問題や日常生活をテーマにした問題など、マーク式であっても、問題・解答に関して論理的・発展的に考察し、検討する力が求められます。教科書の内容を応用して解く、発展問題も出題されることが予想されます。
与えられた問題を単に解決するのではなく、数学的根拠に基づく検討や、得られた結果の考察、さらにその考察から新たな結果を導き出す、という発展的な能力が試されます。
文章や図形で与えられた条件をグラフや数式に落とし込むこともあります。数学の基本的な概念や定理・公式などを体系的に理解したうえで、読解力・情報処理力・判断力も問われるのです。
❑センター試験より難しい?共通テスト「数学」の対策
このように共通テストの数学は、センター試験より難易度が上がる方針です。最初から数式が与えられるのではなく、自分で数式を作る思考重視の問題が多いため、問題文を読んで必要な情報を抽出する作業も必要です。これに配慮し、数学ⅠAは、センター試験よりも10分長い試験時間になっています。
記述問題はありませんが、マーク式だからと、答えのみを問題用紙にチェックするのは好ましくありません。解答に至るための条件や計算過程などを、問題用紙の余白に書いておきましょう。計算スペースが不足して消してしまうと検算ができないため、きちんと余白におさめることも意識します。
共通テストのマーク式には、「答えの数値をマークする」「選択肢から1つ選ぶ」「適するものを選択肢からすべて選ぶ」などの形式があります。たまにあるマークミスなのですが、4番目の選択肢が答えだったとして、④をマークするのはNG。記号は⓪、①、②、…の順に並んでいるため注意が必要です。マーク式問題に慣れるために、センター試験の過去問や予想問題を解いておくといいですね。
実戦的な演習を数多く積み、問題を深く理解できるようにしておきましょう。
❑高得点を狙うための対策スケジュール
共通テスト数学で高得点を狙うためのスケジュールとしては、
【1学期】基礎力の強化 |
と、共通テストまでの9か月を、3つの期間で区切るのがおすすめです。
1学期は、数学的な基礎力を付けることを目標にします。定理・公式などの知識や解法を学び、基本問題を解きます。ポイントはこの段階で苦手分野を残さないこと。前述したように、数学は「広く、浅く」すべての分野から出題されるからです。第3問~第5問の選択問題の単元を決めれば、選ばない単元は勉強しなくていいのでは、という考えは危険です。それは、共通テスト数学の選択問題の間で、難易度に差がある可能性があるから。どの単元も基本の勉強はおろそかにせず、いざという時に変更できる余地を残しておきましょう。
夏休みは、共通テストの出題形式に慣れるため、試行調査の問題や予想問題、センター試験の過去問などを実際に解いてみましょう。共通テストは「答えの数値をマークする」「選択肢の番号をマークする」、「適するものをすべてマークする」などマーク方法もさまざま。マークミスがないように注意を払います。
2学期に入ったら実戦あるのみです。現役生の勉強の成果が現れるには、時間がかかります。はじめにあまり得点できなくても、焦らなくて大丈夫。実践→弱点補強を繰り返すなかで、冷静に原因を見つけ、基本を見直します。また数学は、「試験時間が足りない」という声が多い教科でもあります。計算方法を工夫するなど、スピードアップも心がけましょう。
❑共通テスト「数学」のおすすめの学習方法
では、難易度が上がる共通テスト数学で高得点を狙うためには、具体的にどのような受験勉強をすればいいのでしょうか。
問題集で新しい出題形式に慣れることも大事ですが、出題形式への対策ばかりでは足りません。試行調査で登場した「太郎と花子」による会話形式の問題が示す通り、共通テストの数学では、2人のように試行錯誤して問題を解決する力が問われる、と考えられます。思考力を養うには、日ごろから振り返って考えることを習慣にします。どうしてそう考えたのか、それはなぜか、など、とことん掘り下げることが考える力になっていきます。
また他者と協力しながら考察を深め解決に導く力をつけるために、他人に自分の意見を伝える力や表現力、すなわちアウトプットする訓練も必要になります。
数学の基本的な概念や定義・定理を暗記することはもちろん、十分に理解し、自分の言葉で説明できるように。公式だけを知っていればいいのではなく、公式の成り立ちまで説明できるように。特に集合と論証、図形の証明、確率やデータの分析などで、この傾向が顕著です。
❑共通テスト「数学」の時間配分と配点
共通テスト数学ⅠA・数学ⅡBは、どちらも第1問~第2問が必須問題で、第3問~第5問は2問を選択して解答します。
「共通テスト数学 第2回試行調査」の配点と大問・小問数は以下の通りです。
数学ⅠA
大問番号 |
分野 |
設問数 |
第1問 |
数と式 |
2 |
二次関数 |
3 |
|
図形と計量 |
1 |
|
図形と計量 |
3 |
|
第2問 |
二次関数、図形と計量 |
5 |
データの分析 |
7 |
|
第3問(※) |
確率 |
8 |
第4問(※) |
整数 |
11 |
第5問(※) |
図形の性質 |
7 |
(※)第3問~第5問はいずれか2問を選択
数学ⅡB
大問番号 |
分野 |
設問数 |
第1問 |
三角関数 |
3 |
微分法・積分法 |
5 |
|
指数関数・対数関数 |
6 |
|
第2問 |
図形と方程式 |
9 |
図形と方程式 |
4 |
|
第3問(※) |
確率分布と統計的推測 |
9 |
第4問(※) |
数列 |
9 |
第5問(※) |
空間ベクトル |
9 |
(※)第3問~第5問はいずれか2問を選択
数学ⅠA・数学ⅡBどちらも必須問題の配点が6割を占めています。時間配分としては、配点比率に比例させ、選択問題は10分を目安に解答。残った時間を見直しの時間に充てる、という配分がおすすめです。前半をスムーズに終わらせて後半に着手するために、苦手な単元は飛ばしても構いません。これまでの学習で、問題の手ごたえは、次の3つに分類されるはずです。
・スラスラと解答が思いつく問題 |
このなかで「時間をかけても解けなそうな問題」はスパッとあきらめます。「時間をかければ解けそうな問題」は、いったん飛ばして時間が余ったら手をつけましょう。
共通テスト数学は、平均点が50点になるように作問されている、とお話ししました。ならば、解ける問題で確実に点を積み上げていきましょう。ちなみに国公立大学受験のボーダーラインとしては、8割ほどの得点を目指せば大丈夫です。
❑ディアロの紹介
共通テスト対策で不安なことは、大学受験専門塾の「ディアロ」に相談してみませんか。
新学習要領にもとづく試験である共通テストには、従来の知識やテクニックだけでは歯が立ちません。得た知識や情報をいかに発展させられるかが重要であり、そのためには自分の言葉でアウトプットをする訓練が必要になります。
そこで「ディアロ」の出番。ディアロの学びは、効率的なインプット学習と、生徒主体の効果的なアウトプット学習を組み合わせた「反転学習」が特徴です。
ディアロで身に付けた力は、入試はもちろん、その後の人生にもきっと役立つはずです。
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