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大学入学共通テスト
【共通テスト】英語の傾向と対策・おすすめ勉強方法
※この記事は2020年12月時点の情報に基づいて作成しています。
みなさん、こんにちは!
初めての大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が近づいてきましたね。今回から、各科目の出題傾向と、対策・学習法をお伝えしたいと思います。
本コラムでは英語を解説します。共通テスト対策に、ぜひお役立てください。
東京大学 文科一類 / 東京工業大学 理学院 / 一橋大学 法学部 / 東京医科歯科大学 医学部[医] / 北海道大学 医学部[医] / 東北大学 工学部 / 早稲田大学 政治経済学部 / 早稲田大学 商学部 / 早稲田大学 創造理工学部 / 慶應義塾大学 法学部 / 慶應義塾大学 経済学部 / 慶應義塾大学 理工学部 / 上智大学 外国語学部 / 東京理科大学 理学部第一部 / 東京理科大学 工学部 ほか多数合格!
※大学受験ディアロ・大学受験Dialo onlineの2022年度入試実績です(在籍生のみ/講習のみ・体験のみは含まず)。
2016年大学受験ディアロ開校以来、各年度入試ののべ合格数について比較し2022年度が過去最多。
この記事の目次
共通テスト「英語」の問題って?
センター試験の「英語(筆記)」が、共通テストでは「英語(リーディング)」になります。名称だけではなく、内容にも以下の変更点があります。
- 大学入試センター試験で出題されてきた「発音・アクセント・語句整序など」を単独で問う問題は出題されない。
- 英語表記は、現在国際的に広く使用されているアメリカ英語に加えて、場面設定によってイギリス英語を使用することもある。
- センター試験では日本語の問題文もあったが、共通テストでは問題文もすべて英語になる。
- 「英語」の配点がセンター試験では筆記(リーディング)200点、リスニング50点であったところ、共通テストでは、リーディング100点、リスニング100点に変更。これに伴い、リスニングにおける試験時間が30分から60分に変更。
- 「英語(リスニング)」で、英語の音声を2回流す問題と、1回流す問題がある。流す回数は以下のとおり。
- 第1問:2回
- 第2問:2回
- 第3問:1回
- 第4問:1回
- 第5問:1回
- 第6問:1回
発音・アクセントの四択問題がなくなったことは、よいことだと言えます。センター試験の四択問題は、本当の発音レベルを図ることができる出題形式ではなかったからです。頭で理解していることと、本当にその発音ができるかどうかは、まったく別の話です。
同様になくなる語法問題の四択問題は、良問ではありましたが、センター試験対策として問題集を解く学習法が好ましくありませんでした。問題集を解くだけでは本当のライティング力は身に付かないからです。
また文法問題は出題されなくなりますが、だからといって文法の勉強をしなくていいわけではありません。文法問題が出なくても、文法知識がないと解けない問題が出るからです。また私立大学を受ける人は個別試験で文法・語法問題が出題されるため、対策は必須。出題形式が変わっても、問われることの本質は「英語をきちんと理解できているかどうか」です。
また共通テスト英語の試行テストでは、「factとopinionの区別」に関する問題が出ており、2021年度の共通テストでも出題されると予想されます。
fact(事実)とopinion(意見・感想)を区別することは、ライティングなどほかの英語技能においても大切です。
一般に、factは「客観的に正しいもの」であり、数字でエビデンスが明示されたものに限られます。主観的表現が入ったものは含まれません。高校生はopinionとfactを混同しがちなため、対策が必要になるでしょう。
民間資格・検定試験および記述式の導入は見送り
文部科学省は2019年11月1日(金)に、2021年度の共通テストにおける「英語民間資格・検定試験」の導入延期を発表しました。この日は、英語民間試験を大学入試で活用するための共通IDの申し込み初日であり、発表は本当に急なことでした。
この「大学入試英語成績提供システム」には、大学入試センターが受験生から民間の英語民間資格・検定試験の成績データを収集して、一元管理する、という目的がありました。
しかし、「高校の授業が資格・検定試験対策になってしまう」「経済状況や住む場所に
よって受験機会に格差が生じるのでは」などの反対をうけて、導入が見送られることになったのです。現時点では、2024年から英語民間試験・検定試験の成績データが提供される予定になっています。
また、共通テストの記述式問題も、導入が見送られました。採点が民間に任され、採点者としてアルバイトが入ること、これによる採点者の質と量の確保の問題や、採点ミスを完全になくすことは難しいとの意見、また受験生がきちんと自己採点できるのかという懸念があったためです。
しかし、論理的思考や表現力を強化する観点から、大学入試において英語4技能評価と記述式問題が果たす役割の重要性は変わりません。「今後適切に対応する」と文部科学省は述べています。
これらの内容は今後変更される可能性もあるため、最新情報は、大学入試センターのWEBサイト(https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/)でご確認ください。
共通テスト「英語」の出題傾向
共通テスト「英語」で、センター試験と大きく変わる点は、リスニングとリーディングの比率です。センター試験での比率が1:4であるのに対し、共通テストでは1:1と、リスニングの配点比率が2.5倍になります。「リスニングが苦手」という受験生は対策が必須です。
また、試行調査のリスニング問題は、問題数・ページ数ともに増え、読まれる単語数も3割増加していました。さらに後半の問題は読み上げが1回になります。実生活で使われる日常会話問題が多いことも特徴です。
リーディングの問題傾向
英文のレシピや図表を含む長文など、共通テストのリーディング問題は、扱う内容が幅広く、問題のタイプもさまざま。話題が幅広いと、問われる語彙力が増えることになります。
問題の文章量が増えているため、速読や正確なパラグラフリーディングの能力も求められます。パラグラフリーディングとは、パラグラフ(段落)ごとに要点を掴む英語長文の読解法のこと。
また選択問題の選択肢は、センター試験同様に本文が言い換えられたものになります。配点が縮小されたとはいえ、実践的な英語力が求められるのです。
リスニングの問題傾向
配点が増えるリスニングは、特に対策が必要です。グローバル英語の観点から、共通テストでは、米国の発音以外に、場面設定によってイギリス英語を使用することもある、とされています。「多様な話者による現代の標準的な英語を使用する」ため、さまざまな話者による生の英語をできるだけ多く聞いておきましょう。英文を読み上げる回数が1回の問題もありますが、全体として日常英語に近い自然な調子で読まれます。聞き取った情報をもとに類推する力も問われます。
共通テスト「英語」の対策
このような問題傾向、出題傾向がある共通テストの英語ですが、では具体的にどのような勉強をしたらいいのでしょうか。共通テスト「英語」におけるリーディングとリスニングの対策・勉強法を解説します。
リーディングの対策・勉強法
共通テストの英語でも、センター試験同様に語彙力が基本になります。英単語の意味をなんとなくではなく、確実に覚えておきましょう。一度で覚える必要はなく、繰り返しの学習で記憶に定着させれば大丈夫です。
語彙力を高めることは、精読力につながります。長文読解では、この精読力が大切です。英文をスムーズに解釈するためには、「精読→多読」の流れで学習すると効率的です。センター試験の過去問や共通テストの予想問題を数多く解くといいでしょう。
リスニングの対策・勉強法
リスニング対策としては、日常会話を理解する力・集中力を保って長文を聞く力を養います。
日常会話といっても、あまり砕けた表現は出題されません。基本的な熟語や言い回しが理解できればOK。基本をおさえておけば、聞き取りやすくもなります。
長めの英文が出るため、集中力を保ったまま長文を聞く訓練も必要です。志望大学の試験でリスニングがある人は2次試験対策も兼ねて、重点的に学習しておくといいでしょう。
また前述のとおり、センター試験との大きな違いは、第3問以降の問題文が1回しか読まれない点です。とはいえ、あまり構える必要はなく、1回しか読まれない文は試行調査の感想として、聞き取りやすかった、という声が多いそうです。さまざまな話者の発音を聞いて内容を追う訓練をしておけば対応できるでしょう。
共通テスト英語のリスニングは、センター試験のリスニング同様に、決して難しい内容ではありません。基本的な力をつけておけば大丈夫です。
共通テスト「英語」の時間配分と配点
リーディング
共通テスト第2回試行調査における英語リーディングの各大問の配点は、以下のとおりでした。
- 第1問A 各2点×2問=4点
- 第1問B 各2点×3問=6点
- 第2問A 各2点×5問=10点
- 第2問B 各2点×5問=10点
- 第3問A 各2点×2問=4点
- 第3問B 各2点×3問=6点
- 第4問 3点×4問+4点×1問=16点
- 第5問 各5点×4問=20点
- 第6問 各3点×8問=24点
小問数の合計は37問で、合計点は100点となっています。
前半の大問よりも、後半の大問で配点が高くなっています。このため第1~3問で失点をおさえ、第4~6問で点数を取りにいくといいでしょう。前半を30分ほどで解き、配点の高い後半の大問に時間を残すようにします。
解答時間を短縮するコツとしては、まず設問文や選択肢を先読みすること。「問われていること」を把握してから英文を読むほうが、効率がいいからです。
またわからない問題は飛ばして構いません。どんどん解き進め、時間が余ったら、わからなかった問題に戻りましょう。また問題を飛ばすときは、マークのずれに注意。飛ばした問題に、レ点などの目印をつけるといいですね。
なかには、「配点が高い後半の問題から解き始めればいいのでは」と考える人もいるかもしれません。しかし第4問以降の問題は難易度が高く、正答率も低めです(以下参照)。いきなり難しい問題を解こうとしても、頭がついていきません。またリーディング問題は、最初から順番に解いて80分以内で終わるように設計されています。
共通テスト(英語リーディング)第2回試行調査の正答率
- 第1問 76.2%
- 第2問 64.6%
- 第3問 69.0%
- 第4問 59.2%
- 第5問 22.5%
- 第6問 41.1%
では次に、共通テスト第2回試行調査での、英語リスニングの配点を確認しましょう。
リスニング
- 第1問A 各3点×4問=12点
- 第1問B 各4点×3問=12点
- 第2問 各3点×4問=12点
- 第3問 各4点×4問=16点
- 第4問A 4点×1問+1点×4問=8点
- 第4問B 4点×1問=4点
- 第5問 各4点×5問=20点
- 第6問A 各4点×2問=8点
- 第6問B 各4点×2問=8点
小問数の合計は30問で、合計点は100点となっています。共通テストではリーディングとリスニングの配点比率が1:1に変更されるため、対策は重点的に行います。
リスニングは読み上げる放送があるため、時間配分を意識しないかもしれません。
代わりに、時間の使い方を意識しましょう。
それは小問と小問の間の「空き時間」を活用すること。
この時間に次の問題や選択肢を先読みしておくと、放送を落ち着いて聞くことができます。
また「これで、第〇問は終わりです。次の問題に進みます」という指示文は、同じ内容が問題冊子に書かれています。
こちらも聞き取る必要はなく、その時間で先読みができます。限られた時間を上手く使いましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
共通テスト英語は、センター試験からの変更がもっとも多い科目です。しかし、基本的な実力が備わっていれば、出題形式が変わっても対応できるはずです。ポイントを押さえて、慌てず解答していけば大丈夫です。
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