センター数学のおすすめ勉強法や対策&攻略方法を紹介!

Update: 2019.12.03

センター試験には短時間で多くの問題を解かなくてはいけないという独特の難しさがあることは以前もお伝えしました(「センター試験とは? 2020年の試験日程・時間割、科目について」を参照)。今回は、その中でも特に難易度、解答方式、制限時間ともに多くの受験生がつまずきやすい「数学」にスポットを当てて、勉強法や対策、攻略法をご紹介します。

□センター試験の数学について

<センター試験の数学は何が難しいのか?>

「センター数学は教科書レベルだからそんなに難しくないですよね?」という相談をよく受けることがあります。

確かに、難関国公立大・難関私大で出題されるような難問は少ないかもしれません。しかし、センター試験の数学には独特の難しさがあります。「教科書レベル」というのは「教科書に載っているような基本的なレベルの問題」ということではなく、「教科書の内容を大きく逸脱していないレベル」という意味だと考えてください。

それは、教科書に載っているような公式を当てはめただけで解ける問題はほとんど出題されないということです。しかも、出題範囲は膨大で、設問の種類も様々なので、スピーディーかつ非常に高い情報処理能力が問われる試験です。つまり、センター試験の点数を伸ばし、高得点を取るためには、まずは教科書レベルの知識をしっかりと身につけること、そしてセンター試験の出題傾向に沿って、「入試に出やすい問題」の対策を進めることが何よりも重要です。

<センター試験の数学はどんな問題構成になっているのか?>

【数学ⅠA】

大問1~5で構成されており、第1問・第2問は数学Ⅰ範囲の必答問題、第3問~第5問は数学A範囲の選択問題となっており、この中から2題選択して解答をする構成です。第1問・第2問の配点がそれぞれ30点、第3問~第5問の配点はそれぞれ20点となっています。

【数学ⅡB】

大問1~5で構成されており、第1問・第2問は数学Ⅱ範囲の必答問題、第3問~第5問は数学B範囲の選択問題となっており、この中から2題選択して解答をする構成です。第1問・第2問の配点がそれぞれ30点、第3問~第5問の配点はそれぞれ20点となっています。

次にⅠA・ⅡBそれぞれの平均点を確認してみましょう。

ディアログ_センター数学平均点

*2015年度より新課程

ここ9年間の数学ⅠAの平均点は60.94点、数学ⅡBの平均点は51.86点となっていますが、年度によっては平均点が非常に低い年度も見られます。

センター試験の数学は、60分という制限時間の中で多くの問題を解かなければならない点でも非常に難易度の高い試験といえます。毎年多くの受験生から「数学の点数が伸びないのは計算力が足りないからですか?」とか「もっと計算のスピードを上げた方が良いですか?」という相談を受けます。しかし、点数が上がらない原因は必ずしも計算のスピードとは限りません。

時間が不足する原因として、以下の原因なども考えられます。

◆出題者の誘導にうまく乗り切れず、遠回りな計算をしている
◆図形問題などで自分が書いた図が与えられた条件通りになっていない
◆計算ミスに気付いたものの計算スペースが汚く、どこで間違えたのか確認ができない

つまり、計算のスピードを無理に上げなくても、解答に至るまでの小さな「ロス」を減らしていけば、結果的に時間の短縮にはつながるのです。

 

□センター試験の出題範囲と配点について

数学ⅠA・ⅡBそれぞれの大問ごとの主な出題範囲と配点についてまとめてみました。

ディアログ_センター数学_出題範囲

見てわかる通り、センター試験の数学では毎年出題範囲がほぼ決まっています。センター試験で高得点を取るためには、センター試験の出題範囲や傾向を十分把握したうえで、対策・演習を進めていくことが何よりも重要になっていきます。

□センター数学ⅠAの対策&攻略ポイント

【大問1】

例年、数と式、集合と命題、2次関数に関する出題がそれぞれ1題出題されます。配点は空所1つにつき各2点の計30点です。誘導に沿って空所を埋める穴埋め形式の出題です。2次関数では係数に文字を含む2次関数が題材になることが多く、頂点の座標、グラフが通る点、x軸との交点、平行移動、最大・最小などが問われやすいです。数と式、集合と命題では式の値や1次関数からの出題が中心ですが、2017年度のような教科書の発展事項にも注目です。必要条件、十分条件の問題は定番化しつつあり、命題の真偽や集合の抱合関係などからとらえていくことが大切です。どの分野も基礎をしっかりと身につけた上で、誘導に沿って考えられれば解きやすい問題です。 

数と式については、1次方程式・不等式、2次方程式・不等式、無理数の計算、対象式の計算、高次式の値、絶対値を含む方程式・不等式については頻出分野となるので、教科書の問題が確実に解けるように演習と理解を重ねていきましょう。ひとつひとつの問題は基本的なものなので、まずは教科書に載っている基礎知識を確実に身につけてから、問題集やセンター対策用の単元別問題集を解いて演習しましょう。

集合と命題については、まずは教科書に記載されている基本事項を確実に覚えることが重要です。命題の反例の探し方、命題の逆・対偶については特に内容をしっかり理解しておきましょう。命題の真偽や必要条件・十分条件の判定は、問題を見た瞬間に「反例の有無」を見極められるように、教科書や問題集に載っている典型問題を解いて、反例の見つけ方を覚えていきましょう。

 2次関数については、グラフの平行移動、対象移動、2次関数の決定、頂点の座標を求める問題が典型問題です。また、最大値と最小値を放物線の軸の位置によって場合分けを求める問題や置き換えの問題も頻出です。2次方程式・不等式の融合問題や座標平面上での図形を扱う問題(2012年度本試験)や2次不等式単体の出題(2016年度本試験)があるように、様々な側面から出題されるので、教科書や問題集を使ってまずは一通りの典型問題が解けるようにしておきましょう。

【大問2】

例年、図形と計量、データの分析の単元から出題されます。配点は30点です。ここでは三角形の辺の長さ、角の大きさ、正弦・余弦の値、外接円の半径、面積とその比が問われやすく、流れのある問題が多くなっています。図形と計量は、数Ⅰで習う公式を十分に理解し、問題集や過去問・予想問題などで定着させることが得点につながります。データの分析に関しては、ヒストグラム、箱ひげ図の見方、中央値や、四分位数の計算だけでなく、散布図から読み取れる情報を正確に把握することなど、センター試験独特の出題なので、苦手意識を持ってしまう受験生も多いかもしれません。しかし、複雑な計算は求められないので、過去問や予想問題で演習を重ねて問題に慣れることが大切です。

図形と計量では、近年平面図形の出題頻度が高い傾向にあります。その中でも特に三角形の外接円を扱う問題が頻出です。三角比の相互関係や180°-θの三角比、正弦定理・余弦定理や面積公式はもちろん円の性質や平行線の性質、相似比と面積比・体積比の関係など中学校の数学で学習した内容も求められます。中学数学の範囲に穴がある場合はきちんと対策しましょう。また、平面図形に比べると出題頻度は低いですが、空間図形に関する問題もまれに出題されることがあります。最近では、図形から最大値・最小値を読み取る問題も出題されています(2015年度本試験・2016年度本試験)ので、対策を忘れないようにしましょう。

データの分析では平均値、分散、四分位数、相関関係などの統計量を求める問題が出題されます。ヒストグラム、箱ひげ図、散布図から正確に読み取ることが何よりも重要です。また、変量の変換に関する出題もあるので教科書や問題集を解いて確実に理解したい分野です。過去問の数も少ないので、模試や問題集、予想問題をフルに活用していきましょう。

【大問3】

選択問題です。例年、場合の数と確率が出題されます。配点は20点です。場合の数は近年、条件付き確率に加えて排反な事象への分け方が題材としては多くなっています。センター試験では,考え方を丁寧に誘導されていることが多いので、その流れに乗ることも大切です。センター試験の場合の数や確率は問題文が複雑なので、特に確率に苦手意識を持ってしまう受験生も多いのではないかと思います。過去問や予想問題で演習を重ね、センター試験特有の出題形式に慣れることが大切です。

場合の数と確率で扱うテーマはカード・球の取り出し方、さいころの目の出方、文字の並び方、経路の取り方、座標軸や図形上の点の移動など様々です。その中で問題文が長く、内容理解に時間がかかる問題も多いです。設定の解釈を間違えてしまうと正解に辿り着けないこともあるので、文章読解力も必要になる設問です。特に対策は教科書や問題集から始めて、場合の数・確率の基本的な計算問題など幅広い問題演習をしていきましょう。また、確率の基本性質を利用する問題や反復試行の確率、条件付確率は特に頻出となるので繰り返し演習を重ねていきましょう。

【大問4】

選択問題です。例年、整数の性質が出題されます。配点は20点です。整数の性質は1次の不定方程式、記数法が頻出となっています。教科書の内容や難易度を大きく逸脱した内容は出題されないので、しっかりと基礎を身につけ、過去問や予想問題での演習を重ねることが大切です。

ここでは不定方程式 ax+by=c、最大公約数・最小公倍数、n進法に関する問題が頻出です。特に不定方程式 ax+by=cの解放をしっかり理解しておきましょう。特にx,yの組を1つ求めるためにユークリッドの互除法も有効手段であることを意識しましょう。センター試験では基本に忠実な問題の出題が多いため、「素数」や「互いに素」といった基本的な言葉の定義は正しい理解をすることが大切です。その中で教科書や問題集を使って、最大公約数・最小公倍数に関する性質や、ユークリッドの互除法を解いてマスターしておきましょう。

【大問5】

選択問題です。例年、図形の性質が出題されます。円周角の定理、メネラウスの定理、方べきの定理などの知識だけでなく、図形的な見方も問われます。教科書や参考書で扱っている定理・公式を覚え、演習を繰り返す中で定着させることが大切です。

ここでは特に相似、三角形の重心・内心・外心、円の性質、角の二等分の性質などの基本的性質を理解しておきましょう。その中でも方べきの定理、チェバの定理・メネラウスの定理を用いる比の計算問題も頻出です。また、2017年度本試験や2019年度本試験のように、図形と計量の分野と融合する問題も出題されることもあります。

 

□センター数学ⅡBの対策&攻略ポイント

【大問1】

例年、三角関数、指数関数・対数関数、図形と方程式に関して出題されます。配点は30点です。基本スタイルは問題文に従って空所を埋める穴埋め形式の出題です。三角関数では、方程式・不等式や最大・最小に関する問題が多く出題される傾向です。教科書の基本問題がしっかり解ける力を身につけた上で、過去問や予想問題で演習を繰り返しましょう。指数・対数関数では、指数法則と、対数計算などを素早く解けるかがポイントになっていきます。図形と方程式では直線、円、内分点・外分点などについての基本的な内容を問う問題が多いので、どの単元も教科書や参考書等で基本事項を理解した上で、解くスピードを上げるための演習が大切です。

三角関数では方程式・不等式や最大値・最小値に関する問題を中心に出題されます。数学Ⅰの三角比でも学習する加法定理、2倍角の公式、三角関数の合成など、各種公式を正確に使いこなす力が求められます。それをもとに、例えば「sinθとcosθの1次の和ときたら合成」というような使いどころを理解しておきましょう。また三角関数と平面図形(三角形や円)を融合した問題や、三角関数のグラフの周期を問う問題、近年はsinα=のような明確に提示できない角を用いた問題が出題されることがあります。

指数関数・対数関数では基本的な計算問題や指数方程式・不等式、対数方程式・不等式が出題されます。指数関数では指数法則、指数関数の増加・減少の変化に関するグラフの性質について、対数関数では、対数の計算、対数関数の増加・減少の変化に関するグラフの性質、常用対数による桁計算や最高位の数字の求め方について理解する必要があります。また、近年2次関数や数と式といった他分野の要素と組み合わせた問題が頻出となっているので注意が必要です。

図形と方程式では「点と直線」「円と直線」「放物線と直線」のテーマが扱われることが多いのですが、2013年度本試験や2014年度本試験のように「軌跡」「不等式と領域」のようにまれに分野単独で出題されることもあります。たいていの場合微分積分との融合問題として出題されるので、各単元と単元のつながりを意識した学習を心がけましょう。

【大問2】

例年、微分法・積分法の単元から出題されます。配点は30点です。2次関数や3次関数を題材に,関数の最大・最小、接線の方程式、直線と曲線に囲まれた部分の面積や、前述のとおり、図形と方程式の分野との融合問題が出題されます。特に、計量系の分野では関数の増減を調べて極値を求める問題や、定積分を含む等式から関数を決定する問題が、図形系の分野では、接線の方程式や関数のグラフが囲む図形の面積を積分計算する問題が頻出となります。微分法・積分法は大学受験における最重要かつ頻出単元ですので、十分な対策が必要です。最近は微分と積分の関係といった基本知識ではあるけれど受験生の盲点となりやすい知識問題も出題されています。特に過去問での演習を重ね、問題に慣れることが大切です。

【大問3】

選択問題です。例年数列が出題され、配点は20点です。センター試験の数列では、等差数列・等比数列の一般項や和の計算、階差数列、Σ記号による和の計算、群数列、漸化式、数学的帰納法など多くの内容を絡めたり複数の数列を扱う出題されたりすることがあります。例えば前半に複数の数列を別個に扱い、後半でそれらを組み合わせたり共通項を取ったりして新しい数列を作るといった問題が頻出です。基本的に誘導に従って計算を進めればよいのですが、誘導文はそれほど親切ではないので題意をしっかりと読み取り、全体の流れを素早く把握し、落ち着いて一つ一つ流れに沿って穴を埋めていく練習が大切です。

【大問4】

選択問題です。例年ベクトルが出題され、配点は20点です。センター試験のベクトルでは、分点公式、内積、3点が同一直線上にある条件、面積や体積の計算などが頻出です。例年空間座標上の直線、球、四面体などの図形を中心に扱う空間ベクトルをテーマに出題されることが多いですが、ここ数年は直線、多角形、円などを扱う平面ベクトルをテーマとして出題されることもあります。単純にベクトルが与えられて面積を求める問題ではなく、面積を求めるための条件を内積計算、2直線の交点の位置ベクトル、ベクトルの垂直・平行条件、共線条件、共面条件などから導き出す必要があります。

受験生の中でも苦手意識を持っている人が多い単元です。まずは教科書や問題集を使って、ベクトルの大きさや内積の公式、内文・外分の公式、重心の定義式、平行条件・垂直条件などの基本事項をしっかりと身につけましょう。

【大問5】

選択問題です。例年確率分布と統計的な推測が出題されます。多くの高校では確率分布と統計的な推測を学習しないので選択する受験生が非常に少ない分野ですが、基本的な解き方を知っていれば比較的点数が取りやすい分野です。数Aの場合の数と確率の知識をしっかりと身につけた上で、問題集・参考書などで基礎を身につけ、過去問で演習を繰り返すことが大切です。

 

□センター数学の目標点について

ここまでで、センター試験の数学は問題数に対する試験時間の短さなどから、決して簡単な試験とは言えないことはお分かりいただけたかと思います。では、そんな数学では目標点をどれくらいに設定したほうが良いのか?

もちろん、皆さんの志望する大学の難易度にもよりますが、一つの目安としては各大学の定めるボーダーラインの点数(パーセンテージ)を目標とすることです。ただし、昨今ボーダーラインは大学入試の難化に伴い予測が非常に難しい状況です。したがって、各大学のボーダーライン(パーセンテージ)+5%の点数を目標とすることをおオススメします。

 特に、数学が比較的苦手な人は平均点の高い(点数が取りやすい)ⅠAでしっかり得点して点数を確保する、数学が比較的得意な人は平均点の低い(難易度が高い)ⅡBでしっかり得点してライバルに差をつけていくことで目標点により近づきやすくなります。

□センター試験数学のおすすめ勉強法

傾向と対策を中心にお話してきましたが、最後におすすめの勉強法について少し触れていきたいと思います。

<各単元の学習は1学期までに終了させる>

 どんなに遅くとも3年生の1学期終了時(7月)までにはⅠAⅡB各単元の基礎学習は終了させましょう。目安としては、教科書の問題がしっかりと解けるようになることです。夏が始まるまでには各単元の「ヌケ・モレ」が無いようにしておきましょう。

<各単元のマーク式問題演習を夏から秋にかけて行う>

 夏休み以降は単元ごとにマーク式の問題演習を進めていきましょう。難易度としてはセンター試験よりもやや易しいレベルの問題集からスタートすると良いでしょう。この期間では、夏までにインプットした内容を問題演習という形でアウトプットをしていきましょう。特に数学のマーク式のテストは解答方式が独特なので、この期間で解答方式に慣れてマークミスが無いようにしていきましょう。

<秋以降は過去問や予想問題で得点力を上げる>

 問題演習を一通り終了した秋以降は実際の過去問や予想問題を使って得点力を上げていきましょう。

実際に60分時間を計って・・・と行きたいところですが、見直しの時間や予想外の事態に備えて-5~10分で設定して解いていきましょう。秋からスタートができれば過去問は10年分解けるはずですので、まずは過去問10年分解き切ることを目標に進めてみると良いでしょう。

□まとめ

①センター試験の数学は決して簡単なテストではない。

②しかし、毎年出題範囲や傾向は決まっているのでそれに向けた対策は立てやすい。

③独特な解答方式は問題演習で慣れていくことが大切。

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